研究課題
今年度は、ミネソタ大学と協力することで全骨髄照射(TMI: total marrow irradiation)症例における位置合わせ用高速Mega-voltage computed tomographyの再構成方法を開発した。ミネソタ大学から提供された3体の献体を4種類の寝台速度で撮影した。撮影された投影データは、Iterative reconstruction (IR)algorithmに基づき三次元再構成され、従来法であるFiltered back projection (FBP)algorithmに基づき再構成された画像と比較した。定量評価(画像レジストレーションのずれ量)を行った結果、今回開発したIR法に基づく再構成方法を用いた方が、従来のFBP法に比べて、寝台速度が速い場合(3mm/sec, 4mm/sec)に有意に精度が向上した(P <0.05)。本研究は、我々の知る限り、献体を画像再構成法の開発に用いた初めての研究であり、実際の患者での無用な被ばくを増やすことなく、新技術の開発に成功した。本研究で開発された手法は、現在、ミネソタ大学を中心とした国際臨床治験で実際に使用されている。全骨髄照射は、従来の照射方法(全身照射)に比べて正常組織への不要な線量を減らすことができるため、治療成績の向上が期待されているが、治療時間が長い(1患者1日1.5-2時間)ため、日本でも数施設でしか実施されていない。本研究成果を用いることで、治療時間の短縮が予想されることから、全骨髄照射が広く国民に普及されることが期待される。本年度に開発したMVCT画像を昨年度までに開発した治療計画方法と組み合わせることで、高精度な全骨髄照射を行うことが可能となる。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Medical Physics
巻: 43 ページ: 52-61
10.1118/1.4937935
Jacobs Journal of Radiation Oncology
巻: 2 ページ: 1-6