研究課題/領域番号 |
13J02971
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
竹口 美久 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 特別研究員
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キーワード | 外国人労働者 / CLM諸国 / タイ / 第二世代 / 移民 / 入国管理 |
研究概要 |
今年度は、本研究の課題のひとつである、外国人労働者とその子どものタイ社会における位置づけについて、特に彼らの法的地位と教育に着目し、フィールド調査を行い、またその結果を学会等の場で発表した。 フィールド調査は、平成25年8月16日~同年9月27日の43日間行った。労働省外国人労働者管理事務所での聞き取り調査とそこで得た貴重な統計資料は、後述する学会報告には欠かせないものとなった。また、バンコク都内及び周辺県に点在する外国人労働者集住地区とNGO等が運営する非正規の語学学校では、労働者とその付帯家族、NGO職員に聞き取り調査を行った。ここでは、入国時及び現在の滞在及び就労が合法か不法か、家族は滞在に必要な書類を持っているか、そして子どもたちはどのような教育を受けているのかについて主に聞き取りを行った。この他に、複数の大学及び研究所並びに国立国会図書館等で文献資料の収集も行った。 上記の調査期間中にタイ国立チェンマイ大学で行われた国際会議'Thai Studies through East Wind'に参加し、'lnclusion or Exclusion? ; Future of Migrant Workers and Their Families from CLM Countries in Thailand'と題した報告を行った。報告言語はタイ語、プロシーディングス等は英語で作成、提出した。この国際会議には多くの学問領域からタイを代表する研究者が集まっており、自身の研究関心に係るタイ国内の研究潮流やタイ人研究者の考察等を学ぶ意義深い機会となった。また、日本国内では、タイ学会及び同会若手研究会において、外国人労働者の需要に関して上記のフィールド調査中に得た資料を用いて研究発表を行ったほか、京都大学東南アジア研究所でおこなわれた国際ワークショップにおいて、タイにおける外国人の分類や受容の在り方について英語で報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでに行ったフィールド調査の整理・分析、及び追加調査、研究報告は計画通りに行うことができたが、学会報告をまとめ論文を投稿するという当初の計画は達成できなかった。理由として、予定していなかった研究報告を追加で行ったこと及び投稿論文の締切日の都合がある。なおこの原稿は6月に投稿予定である。
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今後の研究の推進方策 |
25年度に叶わなかった雑誌論文の投稿と掲載を今年度の課題としたい。25年度には研究発表を集中的に行ったので、26年度はこれらの報告とフィールド調査で得たデータをまとめ、雑誌論文を2本投稿したいと考えている。また、今年度以降も機会があれば研究発表を行うことはもちろん、地域研究等これまで自分が親しんできた領城以外の学問領域で類似の研究関心をもつ研究者との交流を図るため、学会や研究会等にも積極的に参加する意向である。
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