研究課題/領域番号 |
13J02988
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
朴 沙羅 京都大学, 人文科学研究所, 特別研究員PD
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キーワード | 入国管理 / エスニシティ / レイシズム / 密貿易 |
研究概要 |
調査においては7月に鹿児島・奄美大島に赴き、鹿児島県立奄美図書館・瀬戸内町立図書館において密貿易に関連する地域の新聞・雑誌・町史等の文書資料を収集するとともに、漁協組合や物産店の協力を得て占領期の密貿易に関わった人々3名に対してインタビューを行った。また、9月と11月には関西奄美会の例会に参加し、来年度のインタビュー調査に協力してくださる方々を募集している。 今年度の実績に関しては、投稿論文2本(国内ジャーナル)が掲載され、書評論文1本(国際ジャーナル)が掲載された。また課程博士号を取得し、海外学会での口頭報告を2件行った。 まず投稿論文について、10月には『社会学評論』第64巻第2号に「「お前は誰だ!」 : 占領期における「不法入国」と[朝鮮人」の定義をめぐって」が、11月には『ソシオロジ』第58巻第2号に「「朝鮮人」の登録 : 占領期日本の外国人管理政策と「朝鮮人」カテゴリーの再編」が掲載された。また同じく11月には『International Sociology Review of Books』vol. 28 (5)に、David Lyonの『Identifying Citizens : ID cards as surveillance』(Polity Press, 2009年刊)の書評が掲載された。さらに、2013年9月には文学研究科教授会で博士号が認定され、11月には京都大学から博士号が授与された。 学会での口頭報告は2件あり、いずれも海外である。6月にはウッチ大学(ポーランド)で開催された世界社会学会リサーチ・コミッティ38(個人史と社会)において、移民研究における個人史の利用と理論的射程に関する口頭報告を行い、ポーランド・ドイツ・フランス・イタリアにおける生活史・オーラルヒストリー研究の現状に関して知見を深めた。また8月にはニューヨーク(合衆国)で開催されたアメリカ社会学会年次大会移民部会において、入国管理を通じたエスニックカテゴリーの形成に関して口頭報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度は学位を授与され、博士論文執筆時の課題を発展させて投稿論文としてまとめることが出来た点で、これまでの調査・研究の結果を実績として出すことが出来たという点で、当初の予定以上の成果を出すことが出来た。しかし他方で新規の調査は予定していたほどには進展していないため、インプットとアウトプットとを勘案すると、「当初の計画以上に進展している」とは言えず、おおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は平成25年度と同程度の研究成果を上げながら、新たに調査を行っていきたい。特にインタビュー調査に関しては対象者の高齢化に伴う調査の困難化が進みつつあるため、今年度は積極的にインタビュー調査を行っていく方針である。
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