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2015 年度 実績報告書

双線形方程式を中心とした離散可積分系の研究

研究課題

研究課題/領域番号 13J03088
研究機関東京大学

研究代表者

間瀬 崇史  東京大学, 数理科学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード可積分系 / 離散可積分系 / 特異点閉じ込め / 代数的エントロピー / Laurent現象 / 初期値空間
研究実績の概要

離散可積分系について、可積分性判定の観点から研究を行った。用いた主な道具は、特異点閉じ込め、代数的エントロピー、Laurent現象、互いに素条件、初期値空間などである。
まず、特異点閉じ込めを通過するにもかかわらず非可積分となるような方程式について調べた。そのような方程式は、2階の常差分方程式ではHietarinta-Viallet方程式をはじめとして数多くの例が知られていた。今回、偏差分方程式において初めてとなる具体例を構成することに成功した。さらに、新しく発見した方程式を、昨年度まで研究していた互いに素条件を用いて解析した。その結果、特異点パターンに基づいた従属変数変換によって得られる方程式は非常に複雑な定義式を持つものの、Laurent性、既約性、互いに素条件など非常に良い性質を持っているということがわかった。ここで用いた手法は可積分方程式を特異点パターンに応じた変換によって双線形化するという手法の一般化となっており、一部の非可積分な偏差分方程式においてもこの手法が有効であるということがわかった。なお、今回得られた方程式はreductionによって高階の常差分方程式へと落ちるが、従属変数変換自体もそのまま対応する。
続いて、自励系とは限らない2階の差分方程式を、初期値空間を用いて解析した。初期値空間を持つような2階の方程式の一般的性質を調べるとともに、そのような方程式の分類を試みた。その結果、2階の可積分非自励差分方程式であって初期値空間を持ち、なおかつ次数増大が非有界となるものは、坂井の意味での離散パンルヴェ方程式に限るという結果が得られた。

現在までの達成度 (段落)

27年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

27年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Investigation into the role of the Laurent property in integrability2016

    • 著者名/発表者名
      T. Mase
    • 雑誌名

      Journal of Mathematical Physics

      巻: 57 ページ: 022703

    • DOI

      10.1063/1.4941370

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Algebraic entropy of an extended Hietarinta-Viallet equation2015

    • 著者名/発表者名
      M. Kanki, T. Mase, T. Tokihiro
    • 雑誌名

      Journal of Physics A: Mathematical and Theoretical

      巻: 48 ページ: 355202

    • DOI

      10.1088/1751-8113/48/35/355202

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Deautonomisation by singularity confinement: an algebro-geometric justification2015

    • 著者名/発表者名
      T. Mase, R. Willox, B. Grammaticos, A. Ramani
    • 雑誌名

      Proceedings of the Royal Society A

      巻: 471 ページ: 20140956

    • DOI

      10.1098/rspa.2014.0956

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Singularity confinement and full-deautonomisation: a discrete integrability criterion2015

    • 著者名/発表者名
      B. Grammaticos, A. Ramani, R. Willox, T. Mase, J. Satsuma
    • 雑誌名

      Physica D

      巻: 313 ページ: 11-25

    • DOI

      10.1016/j.physd.2015.09.006

    • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 離散方程式の代数的エントロピーと初期値空間2015

    • 著者名/発表者名
      神吉雅崇, 間瀬崇史
    • 学会等名
      青山数理セミナー
    • 発表場所
      青山学院大学相模原キャンパス(神奈川県・相模原市)
    • 年月日
      2015-11-18 – 2015-11-18

URL: 

公開日: 2016-12-27  

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