研究課題
活動銀河中心核における相対論的ジェットの生成機構解明は現在天文学における究極的課題の1つである。本課題では最近傍の巨大ブラックホール(BH)ジェットM87を対象に、BHから10-10000シュバルツシルト半径(Rs)における速度場や構造を精密測定し、世界に先駆けて磁場駆動型ジェット生成理論の直接検証を目指す。本目的達成に向け、高い解像度を備えた日本のVLBIアレイVERA、高い感度を実現する欧州VLBIネットワーク(EVN)を用いた高頻度モニター、更には日伊共同VLBI観測網、米国VLBI観測網VLBAを用いたBH最近傍の撮像観測を実施する。本年度はこれまでの日伊での研究成果や進展が実を結び、国内の様々な研究会において招待講演として呼んでいただくなど、学振最終年度にふさわしい総まとめ的な一年になったと感じている。2015年の日本天文学会秋季年会においてもEVNとVERAを用いたM87の速度場測定について、学振期間中に得られた成果の総まとめとして口頭発表をさせていただいた。総まとめ論文を学振期間内に出版するには間に合わなかったが、現在順調に準備が進んでおり、間もなく投稿ができる予定である。日伊共同VLBI観測については、2015年2月に実施した試験観測について、2016年1月ついに日伊基線でのフリンジ信号検出に成功した。日伊観測の着想から約4年ここまでの道のりは非常に長かったが、日伊双方のスタッフの協力のもと多くの試行錯誤を経て、学振期間の最終月にフリンジ検出が成功したことは本当に感慨深い。当初の計画からはかなり遅れてはいるものの、今後の本格的な科学運用に向けて非常に大きな一歩を踏み出せたと考えている。最後に、約3年という長きに渡り多大なる援助を頂き、研究活動に専念できる環境を与えて頂いた本制度に心より感謝する。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (5件) (うち国際共著 5件、 査読あり 5件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 2件、 招待講演 6件) 備考 (2件)
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