本研究課題では、イネの根の外皮への誘導的なスベリン蓄積が、酸素漏出(ROL) バリアとアポプラスティックバリアとして働き、イネの耐湿性と耐乾性に貢献しているという仮説を検証するために、本研究では転写因子OsNAC34 を用い、外皮特異的なスベリン蓄積が、イネの耐湿性や耐乾性に与える影響を明らかにすることを目的とした。 本年度は、OsNAC34-GFP 融合タンパク質を発現する形質転換体を用いたChlP アッセイの立ち上げを行った。また、マイクロアレイ解析等の解析から予想されたOsNAC34の制御下にある可能性の高い遺伝子について、複数のレトロトランスポゾンTos17 系統の入手を行い、それらの栽培を行い後代種子の確保を行った。 年度の途中で辞退した為、目的の完遂までは達成できなかったが、これまでの研究からOsNAC34がイネのスベリン蓄積に対し何らかの影響を持ち、それは直接的もしくは間接的な根の外皮特異的なスベリン生合成関連遺伝子の制御によることを明らかにした。
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