研究課題/領域番号 |
13J03204
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研究機関 | 政策研究大学院大学 |
研究代表者 |
高橋 遼 政策研究大学院大学, 政策研究科, 特別研究員(PD)
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キーワード | 森林保全 / 農産物証システム / 森林コーヒー / 持続可能な資源管理 / エチオピア |
研究概要 |
特別研究員に申請をした際、本研究では2つの研究課題に取り組むことを目的に掲げた。まず、一つ目は森林コーヒー認証が「森林減少」に及ぼす効果であり(課題①)、二つ目は同認証制度が「森林劣化」に及ぼす影響である(課題②)。年次計画では、初年度に前者の森林減少への効果に関する論文に取り組むことを目標に掲げた。 森林管理に関する研究では、近年、認証システムの導入と森林保全の関係に注目が集まっている。多くの理論研究によって、認証システムの有効性が支持されている一方、実証的な研究による厳密な評価は行われていない。そこで、研究計画に則り、本研究では、認証システムが森林減少に及ぼす影響評価に取り組んだ。 また、申請時に提出した年次計画通り、初年度では結果として2本の論文を国際雑誌に受理される結果を出した。まず1つは、森林保全に及ぼす認証システムの効果を数量的に分析し結果をまとめた論文を国際雑誌Jounal of Environmental Management (インパクトファクター : 3.245)に提出し、8月に受理された。同論文では、認証取得による保全効果が確認された。 その一方、保全の効果は個々の生産者の社会経済的属性によって変化すると考えられる。そこで、生産者の属性に焦点を当て、さらに分析を進めた。分析の結果、認証の効果と生産者の属性に有意な関係が明らかになり、認証が特に貧困層に属する生産者に保全意欲をもたらしたとの示唆を得た。分析結果をまとめた論文を執筆し、国際雑誌Environmental lmpact Assessment Review (インパクトファクター : 2.596)に投稿し、掲載が受理された。 また、フランスで行われた国際会議the European Association of Environmental and Resource Economists (EAERE)で発表し、コメンテーターから厳密な分析方法について特に高い評価を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
計画通り2本の論文が国際雑誌に採用されたこと。 上記に加え、上述の課題②に関する研究に関しても、分析が終わり、執筆の段階に入っているため。
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今後の研究の推進方策 |
今後は計画通り、上述の課題②に関する研究を進める。課題②では、当初1本の論文執筆を予定していたが、こちらでも2本の論文投稿を目指す。 現時点で特に問題はない。
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