研究課題/領域番号 |
13J03256
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
徐 鍾筆 岐阜大学, 連合獣医学研究科, 特別研究員(DC2)
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キーワード | 生体組織工学 / Locking compression plate / 幹細胞 / Bone morhogenetic protein-2 / 血小板溶解液 / ウシ胎児血清 / 骨再生 / ウマ |
研究概要 |
本研究はウマの骨疾患に対するLocking compression plate(以下、LCP)ならびに生体組織工学の効果の評価のために下記の4項目の検討を実施する。1年目の計画は、1番と2番の項目の検討であったが、積極的な研究遂行を通じて3番項目まで検討を終了した。1番、2番ならびに3番の結果は、国内外の学会で発表し、国際学術誌に掲載した。 1. ウマの骨欠損モデルに対する幹細胞ならびにBMP-2の用量の影響の検討 : ウマの第3中足骨に骨欠損を作成し、様々な濃度の幹細胞およびBMP-2含浸スポンジを移植した。この研究により、幹細胞混合BMP-2含浸スポンジの骨再生効に対する有用性が確認された。また、幹細胞数の増加に伴った骨再生の違いは認られず、BMP-2濃度の増加に伴った骨再生促進効果が認められた。今後、馬の骨欠損に対する幹細胞混合骨形成蛋白-2含浸ポンジの応用が期待された。 2. ウマの近位指節間関節固定術におけるLCPならびに幹細胞混合BMP-2含浸スポンジの検討 : ウマの近位指節間関節にLCPを用いた関節固定術を実施し、幹細胞混合BMP-2含浸スポンジを移植した。この研究により、LCPと生体組織工学の組み合わせがウマの早期骨癒合を促進することを明らかにした。今後、ウマの骨折治療におけるLCPと生体組織工学の組み合わせの臨床応用が期待された。 3, 幹細胞培養におけるFBSの代替物質として同種異系PRPに関するin vitroの検討 : ウマの胸骨から骨髄液を採集して、ウマ血小板溶解液あるいはウシ胎児血清を含む培養液中に混和し、10日間培養を行った後、幹細胞の増殖および特性を分析した。この研究により、ウマ血小板溶解液はウシ胎児血清に見られるような倫理的・科学的問題および安全性に関わる問題がなく、ウマ間葉系幹細胞の培養に有用であると考えられた。 4. 骨・関節損傷症例に対するLCPならびに幹細胞混合BMP-2含浸スポンジの適用検討 : LCPならびに幹細胞混合BMP-2含浸スポンジを実際臨床例へ適用する。(検討中)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
1年目の計画を迅速に完了したため、2年目の計画を迅速に進めている。in vivoおよびin vitroの研究を完了して、国内外の学会で発表し、国際学術誌に掲載した。現在は、LCPならびに幹細胞混合BMP-2含浸スポンジの臨床適用を検討している。
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今後の研究の推進方策 |
1年目までに得られた結果をもとに臨床例におけるLCPならびに幹細胞混合BMP-2含浸スポンジ適用の有用性を評価する。 ①症例は骨折、脱臼などの骨・関節の固定と骨再生に必要な症例を選択する。 ②症例は20例以上を確保する。 ③臨床滴用に伴う問題点を見つけて改善する。 ④結果を整理・分析し、論文・学会などで発表する。
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