昨年度は、セスペンドールの骨格構築に用いる連続環化反応の開発に取り組んだ。モデル実験によって、二価パラジウム触媒を用いた効率的な環化反応条件を見出し、この反応の基質一般性を調べた。A環上にセスペンドールと同じ置換基を有するモデル化合物を用いた際、反応が完結せず、収率が低下した。本年度は、このモデル化合物を用いて連続環化反応の条件を種々検討した。塩基として炭酸銀を用いると、速やかに原料は消失したが、望む生成物は全く得られず、連続環化反応の中間体と考えられるインドールが得られた。その後の検討により、炭酸銀のみで同様のインドールが高収率で得られることが判明した。
|