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2013 年度 実績報告書

触媒的C-Hカップリング反応を利用する機能性オリゴチオフェン創製法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 13J03368
研究機関神戸大学

研究代表者

田中 将太  神戸大学, 大学院工学研究科, 特別研究員(DC2)

キーワードオリゴチオフェン / デンドリマー / クロスカップリング / C-Hカップリング / アルミニウム / Heck反応 / ニッケル触媒 / ロジウム触媒
研究概要

オリゴチオフェン誘導体は, 有機半導体, 液晶, 有機太陽電池など有機電子デバイスに用いられる素材として注目されており, その効率的な合成法を開発することは有機化学上重要な課題である. 本研究では, チオフェンの炭素-水素直接カップリング反応(C-Hカップリング反応)を用い, 合成プロセスの簡略化を目的に機能性オリゴチオフェン誘導体の合成を行った.
1. 様々なオリゴチオフェンデンドリマー誘導体の創製
以前当研究室で見出した3位置換チオフェンの位置選択的なC-Hカップリング反応を用いることによって様々な分岐状のオリゴチオフェン(オリゴチオフェンデンドリマー)誘導体の合成に成功した. 今後は, 得られたオリゴチオフェンの物性を明らかにしていく予定である.
2. オリゴチオフェンデンドリマーをモノマーに用いたポリチオフェン合成
本研究において合成した分岐状オリゴチオフェン誘導体をモノマーに用いて, クロスカップリング重合を行うことによってポリチオフェンを得ることに成功した. 得られたポリマーは, 一般的に知られている直鎖状ポリチオフェンとは異なる性質を有しており, 今後はその構造の詳細や物性を明らかにしていく予定である.
3. アリールアルミニウムとスチレン誘導体のクロスカップリング反応
研究実施計画に記載している, チオフェンとスチレン誘導体とのC-Hカップリング反応の検討を行っている過程で, ロジウム触媒を用いるとアリールアルミニウムがスチレン誘導体に対して付加脱離反応(Mizoroki-Heck型反応)を起こすことを見出した。この反応は, アリールアルミニウムがオレフィンへ付加脱離反応を起こす最初の例であり, 今後はその詳細な検討および, オリゴチオフェン合成への応用を行っていく.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究の目的である機能性オリゴチオフェンの創製法の開発において, 様々な機能性オリゴチオフェンデンドリマー誘導体の合成, 分岐状オリゴチオフェンをモノマーに用いたポリチオフェン合成に成功しており, 当初の計画どおりに進んでいる. また, その研究過程で, アリールアルミニウムとスチレンとのクロスカップリング反応がロジゥム触媒を用いると進行するという新規反応を見出す事に成功し, 今後はこの反応を用いてオリゴチオフェン合成を行っていく予定である.

今後の研究の推進方策

本研究課題の研究を行っている過程で, アリールアルミニウムとスチレンとのクロスカップリング反応を見出し、この反応はオレフィン部位を有する機能性オリゴチオフェンの合成法への応用が期待できる. しかしながら, 現段階ではチオフヱン等のヘテロ芳香族化合物を基質として用いると, 全く反応性を示さなかった. したがって, 今後はこの反応のオリゴチオフェン合成への応用を目指すべく, チオフェンでも反応が進行する条件の検討を行う. また, チオフェンのC-H結合を活性化し, スチレン誘導体と反応させるより効率的な合成法の開発も合わせて行う予定である.

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2014 2013 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Rhodium-Catalyzed Cross-Coupling of Vinylarenes with Arylaluminum Reagents in the Presence of Ketones2014

    • 著者名/発表者名
      Shota Tanaka, Atsunori Mori
    • 雑誌名

      European Journal of Organic Chemistry

      巻: Vbl.2014,Issue6 ページ: 1167-1171

    • DOI

      10.1002/ejoc.201301757

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Introduction of Heteroarene Functionality on the Bipedal-Thiol-Capped Gold Nanoparticle by Deprotonative C-H Coupling with Palladium Complex2014

    • 著者名/発表者名
      Atsuahi Sugie, Hiroki Yamauchi, Kei, Miyamura, Kenta Kumazawa, Shota Tanaka, Kiyoshi Kanie, Atsushi Muramatsu, Atsunori Mori
    • 雑誌名

      Heterocycles

      巻: Vol 88, No.1 ページ: 213-221

    • DOI

      10.3987/COM-13-S(S)1

    • 査読あり
  • [学会発表] ロジウム触媒を用いたアリールアルミニウムのビニルアレーンへの付加脱離反応2014

    • 著者名/発表者名
      田中将太, 伊丹一起, 立田 豪, 森 敦紀
    • 学会等名
      日本化学会第94春季年会
    • 発表場所
      名古屋大学(名古屋市)
    • 年月日
      2014-03-29
  • [学会発表] オリゴチオフェンデンドリマーをモノマーとして用いる直鎖状高分子の合成2014

    • 著者名/発表者名
      村上航平, 田中将太, 森 敦紀
    • 学会等名
      日本化学会第94春季年会
    • 発表場所
      名古屋大学(名古屋市)
    • 年月日
      2014-03-28
  • [学会発表] 位置選択的なC-Hカップリングを用いる構造が明確に制御されたチェニレン-ビニレンオリゴマーの新規合成法2014

    • 著者名/発表者名
      福井祐太, 田中将太, 森 敦紀
    • 学会等名
      日本化学会第94春季年会
    • 発表場所
      名古屋大学(名古屋市)
    • 年月日
      2014-03-28
  • [学会発表] Rhodium-Catalyzed Mizoroki-Heck Reaction of Arylaluminum with Vinylarene2013

    • 著者名/発表者名
      Shota Tanaka, Atsunori Mori
    • 学会等名
      Tenth International Symposium on Carbanion Chemistry (ISCC-10)
    • 発表場所
      同志社大学(京都市)
    • 年月日
      2013-09-25
  • [備考]

    • URL

      http://www2.kobe-u.ac.jp/~amori/home/index.html

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公開日: 2015-07-15  

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