研究課題/領域番号 |
13J03440
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
植田 喜兵成智 早稲田大学, 文学研究科, 特別研究員(DC2)
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キーワード | 朝鮮 / 墓誌 / 新羅 / 唐 / 羅唐戦争 / 百済遺民 / 高句麗遺民 |
研究概要 |
本研究の目的は、羅唐戦争と呼ばれる669年から676年にかけて起きた新羅と唐の戦争期の動向を中心に、新羅が百済・高句麗滅亡後、その旧領・旧民を吸収しどのように国家統合をはかったのか、そしてその統合過程が東アジア情勢の中でどのように位置づけられるのかを明らかにしようとするものである。本年度は、「在唐百済遺民関連の研究」、「百済・高句麗遺民墓誌の現地調査」、「羅唐戦争関連唐人墓誌の研究」の3点に重点を置いて研究を進めた。 1 在唐百済遺民関連の研究 百済遺民に関連する墓誌などの石刻史料を解読し、伝世文献にある情報と徹底的に照合して、唐移住後の百済遺民の存在様態に関する総合的な研究を試みた。その成果は、朝鮮学会において「在唐百済遺民の存在様態―熊津都督府の建安移転の史的意義と関連させて」という題目で報告を行い、『朝鮮学報』へ現在投稿準備中である。 2 百済・高句麗遺民墓誌の現地調査 本研究は出土史料を扱う研究であるため、原碑を確認したうえでの研究が必要になる。百済遺民墓誌12点、高句麗遺民墓誌が20点以上発見されており、これらの史料も含めた調査のため、11月に中国の開封、南京、3月には鄭州、洛陽、西安、杭州などを訪問した。その際に石刻を所蔵する博物館において、史料の所在を確認し、墓誌史料を実見して文字の調査などを行った。その成果を基に着実に研究を進めることできた。 3 羅唐戦争関連唐人墓誌の研究 羅唐戦争に参戦した唐人墓誌の調査も行っており、その成果の一部を陳西師範大学歴史文化学院において開かれた国際シンポジウム「唐與朝鮮半島石刻"國際學術研討会』に参加し、「唐人郭行節墓誌と咸亨年間の新羅征討軍」という題目で報告を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
史料の調査・収集については、上述したとおり、中国での現地調査を実施しており、順調に進んでいる。研究の成果についても、平成25年度中に2度報告する機会を得られ、滞りなく進展している。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、平成25年度に引き続き、百済・高句麗遺民墓誌の検討、現地史料調査を進めていく。これまでは百済遺民の研究を中心に行ってきたが、平成26年度は高句麗遺民に関する研究を進展させたいと考えている。高句麗遺民の墓誌を精読し、唐における高句麗遺民の存在様態について明らかにし、平成26年度中に学会等で報告したい。 上述の墓誌研究をより正確に行うためには、中国での現地調査が必要である。南京博物院、西安博物院などに所蔵されている墓誌史料の現地調査を再度行いたい。また中国だけではなく、百済遺民と関連する日本の朝鮮式山城などの渡来人遺跡や、新羅と百済関連の遺跡がある韓国慶州、扶余、益山なども調査する予定である。
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