• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実績報告書

光化学系I複合体を中心とした電子伝達メカニズムの構造基盤解明

研究課題

研究課題/領域番号 13J03550
研究機関基礎生物学研究所

研究代表者

河合(久保田) 寿子  基礎生物学研究所, 環境光生物学研究部門, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード光合成 / 光化学系I / X線結晶構造解析 / フェレドキシン / 複合体結晶 / 電子伝達
研究実績の概要

X線結晶構造解析によりPSI-Fd複合体の構造を4.2A分解能で解き明かすことに成功した。その成果は以下の三点である。
1.PSI-Fd複合体の構造基盤解明:FdはPSIのPsaC、PsaE、PsaAと相互作用して複合体を形成していた。相互作用アミノ酸情報からFdの変異体を作製し、閃光分光法にてPSI-Fd間の電子伝達速度を測定することにより、これらのアミノ酸が生化学的にも重要であることを証明した。さらに、 [2H, 15N]ラベルしたガリウム(Ga)置換Fdを用いてNMRによるTCS法の解析を行い、結晶構造は溶液中での相互作用を反映していることを確認した。
2.PsaFピストンモデルの提唱:Fd結合前後のPSI構造をCαで重ね合わせ、RMSD値を算出した。その結果、Fd結合によりPSIの表在性蛋白質PsaCとEが三量体の外側に向かって移動していた。さらにその動きは隣接する膜貫通ヘリックスのPsaFへと連続し、最終的にはルーメン側まで到達していた。PsaFのN末端はPSIを還元するPcが結合するサブユニットであり、PSIはPsaFを介してチラコイド膜内外の電子伝達蛋白質結合情報を共有するというモデルを提唱した。
3.二分子アンテナモデルの提唱:PSI三量体には三分子のFdが結合しており、Ga異常散乱強度が強いFdほどPSIに接近していた。また、FdがPSIに結合することで三量体の境界面にあるPsaKと隣の分子のPsaBが互いに近寄る方向に移動していた。これによりPSI間の距離が縮まり、三量体間に於ける効率のよいエネルギー移動が可能になると考えられる。これらのことから、PSI三量体が協調して機能する二分子アンテナモデル、即ちPSI 三量体中でFdが最も強く結合しているPSIが電化分離を行い、残り二分子のPSIはアンテナとして機能して光エネルギーを供給するモデルを提唱した。

現在までの達成度 (段落)

27年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

27年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [国際共同研究] Ruhr-University Bochum(Germany)

    • 国名
      ドイツ
    • 外国機関名
      Ruhr-University Bochum
  • [雑誌論文] X-ray Structure and Nuclear Magnetic Resonance Analysis of the Interaction Sites of the Ga-Substituted Cyanobacterial Ferredoxin.2015

    • 著者名/発表者名
      Mutoh, R., Muraki, N., Shinmura, K., Kubota-Kawai, H., Lee, YH., Nowaczyk, M., Rogner, M., Hase, T., Ikegami, T., Kurisu, G.
    • 雑誌名

      Biochemistry

      巻: 54 ページ: 6052-6061

    • DOI

      10.1021/acs.biochem.5b00601

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 光化学系I-フェレドキシンの電子伝達複合体構造から読み解く電子伝達の動的メカニズム2015

    • 著者名/発表者名
      河合(久保田)寿子,武藤梨沙,Pierre SETIF, Marc Nowaczyk,Matthias Rogner,池上貴久,田中秀明,栗栖源嗣
    • 学会等名
      第15回 日本蛋白質科学会年会(ワークショップ口頭発表)
    • 発表場所
      あわぎんホール(徳島県、徳島市)
    • 年月日
      2015-06-24 – 2015-06-26
  • [学会発表] 光化学系I-フェレドキシンの電子伝達複合体構造から読み解く電子伝達の動的メカニズム2015

    • 著者名/発表者名
      河合(久保田)寿子,武藤梨沙,Pierre SETIF, Marc Nowaczyk,Matthias Rogner,池上貴久,田中秀明,栗栖源嗣
    • 学会等名
      第15回 日本蛋白質科学会年会(ポスター発表)
    • 発表場所
      あわぎんホール(徳島県、徳島市)
    • 年月日
      2015-06-24 – 2015-06-26

URL: 

公開日: 2021-01-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi