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2013 年度 実績報告書

蛍光相関分光法によるスパイン内分子動態解析

研究課題

研究課題/領域番号 13J03845
研究機関東京大学

研究代表者

小橋 一喜  東京大学, 大学院医学系研究科, 特別研究員(DC1)

キーワードスパイン / 蛍光相関分光法
研究概要

中枢神経系の興奮性シナプスの後部は, アクチン線維を主要な細胞骨格とする、樹状突起からつきだしたマッシュルーム様の微小突起構造であるスパインに形成される。これまでの研究から、スパイン内のアクチン線維には、スパイン形態を維持、変化させる細胞骨格としての機能と、シナプス分子の足場として、あるいは分子密度を調節することでシグナル伝達活性を調節するシグナル伝達調節因子としての機能があると考えられている。シナプスにおけるアクチン線維の機能をより良く理解するためには、スパイン内でのアクチン線維の構造や状態についてより定量的に測定する必要がある。蛍光相関分光法は、細胞内の微小領域に存在する蛍光分子の動く速さを測定し、その情報から分子間相互作用や細胞内環境を解析可能な方法である。本研究では、2光子励起蛍光相関分光法を用いたスパイン内分子動態測定法を開発し、スパイン形態変化時におこるスパイン内アクチン線維の構造変化を測定することを目的とする。今年度は、スパイン内部で蛍光相関分光測定が安定して行えるよう測定装置、測定方法の改良に取り組み、分散培養神経細胞スパインで蛍光相関分光測定を行うことに成功した。また、細胞内アクチン線維の構造が、蛍光相関分光法から得られる分子動態情報に反映される測定条件、プローブの探索を行った。アフリカミドリザル腎臓由来COS-7細胞を用いた実験で細胞内アクチン線維の構造変化を蛍光相関分光法により測定することに成功した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度目標としていた神経細胞スパインでの蛍光相関分光測定に成功した。また、神経細胞ではないものの、生細胞内アクチン線維構造を蛍光相関分光法から読み出すことに成功した。

今後の研究の推進方策

COS7細胞での測定条件を基に、神経細胞スパインでアクチン繊維構造を蛍光相関分光法で読み出せるように、測定装置、測定方法の改良を行っていく。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Regulation of mitochondrial dynamics and distribution by synapse position and neuronal activity in the axon2013

    • 著者名/発表者名
      Kazuki Obashi, Shigeo Okabe
    • 雑誌名

      European Journal of Neuroscience

      巻: 38 ページ: 2350-2363

    • DOI

      10.1111/ejn.12263

    • 査読あり
  • [学会発表] Regulation of mitochondrial dynamics and distribution by synapse position and neuronal activity in the axon2013

    • 著者名/発表者名
      Kazuki Obashi, Shigeo Okabe
    • 学会等名
      Current Trends and Future Directions of Synaptic Plasticity Research
    • 発表場所
      Seattle, USA
    • 年月日
      2013-07-18
  • [学会発表] 海馬神経細胞軸索内におけるミトコンドリア動態の解析2013

    • 著者名/発表者名
      小橋一喜、岡部繁男
    • 学会等名
      Neuro2013
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2013-06-20

URL: 

公開日: 2015-07-15  

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