研究課題/領域番号 |
13J03901
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
嶋内 佐絵 上智大学, 総合人間科学部, 総合人間科学
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キーワード | 高等教育 / 国際化政策 / 日韓比較 / 東アジア / EMI / 質的研究 |
研究概要 |
本年度は特別研究員(PD)としての一年目であり、当初の研究予定を進める中で、適時必要な軌道修正を行った。本研究の目的は大きく2つあり、第一に、東アジア全域のEMIDP形態分析と類型化の提示である。東アジア地域におけるEMIDPの形態や特色を明らかにすると同時に、今後非英語圏でのEMIDP分析の指標となるような類型化(EMIDPの"東アジアモデル")とその特徴の整理を行うことである。第二に、上記のEMIDP分析の中から地域的な教育協カプログラムに注目し、これまでの研究の理論的枠組と分析フレームワークを基盤によりミクロな視点で包括的かつ教育学的な実証研究を行う。これらの目的を果たすため、本年度は前年度まで調査を行ってきた日韓のEMIDPに関するデータを更に精緻化し、必要な部分をアップデートした上で、日韓のEMIDPを中心にその分析フレームワークに関する考察を深めるとともに、データを使用した論文を執筆した。他にも、中国政府の文献や中国国内での英語に関する文献分析を行うと同時に、日中韓におけるEMIDPの比較分析、北東アジアにおけるEMIDPの一般的・例外的プログラムの確認の作業を8月から3月にかけて行い、2014年3月には韓国へ研究調査訪問を行った。さらに、博士論文の書籍化準備に関しては2014年度の申請を目指して、本年度に更新した新しいデータをもとにした書籍原稿の執筆を進めている。また、2013年7月世界比較教育学会、10月には台湾で、2014年3月には香港の比較教育学会において発表を行い、特に台湾、香港を含めた中国圏の研究者との議論とネットワーキングを行った。成果として、論文「何故、英語プログラムに留学するのか? -日韓高等教育留学におけるプッシュ・プル要因の質的分析を通して」が『教育社会学研究』に掲載予定となっている(査読有、最終原稿入稿済み)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほとんどの研究調査を当初の予定通り行った他、予定していた学会発表をすべて行い、さらに最初の半年で進めた文献調査を含めて査読誌に投稿し、2014年度内に発行される運びとなった、(『教育社会学研究』)。当初予定していた中国の調査に関しては、必要な文献調査やネットワーキングを今年度中に行ったので、2014年度の課題とする。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は2013年度に行っていた文献調査をもとに、中国、韓国、および東南アジア地域での現地調査を実行する。また7月の比較教育学会、2015年2月の香港比較教育学会および3月の米国比較教育学会において、調査の結果を含めた研究報告を行う。初年度から取り組んでいる単著の出版に関しては、博士論文に加え、現在までの研究成果を含めた上での出版化を目標に取り組む予定である。
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