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2014 年度 実績報告書

大西巨人における戦争および軍隊表象の比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 13J03920
研究機関早稲田大学

研究代表者

橋本 あゆみ  早稲田大学, 文学学術院, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード大西巨人 / 野間宏 / 戦争文学 / 『神聖喜劇』 / 『真空地帯』 / アジア・太平洋戦争 / 軍隊の表象 / 法と文学
研究実績の概要

前年度を引き継いで、戦後の主要な戦争文学との比較を通じ、大西巨人『神聖喜劇』の文学的特徴を検討した。まず前年に口頭発表した野間宏との比較論を基に、論文「大西巨人『神聖喜劇』における兵士の加害/被害―野間宏『真空地帯』との比較から―」を『文藝と批評』に発表した。小説発表当時の社会情況を踏まえつつ、『神聖喜劇』が早くに応召兵士の加害性を問題化した点や、物語の進行とともに暴力否定のモチーフが深まりを見せた点をテクストの検討から指摘した。また、同じく『真空地帯』を主な比較対象に、両作における「法」や「規定」の捉え方が、軍隊と社会の関係や知識人の描き方の違いに関わることを指摘した論文「軍隊を描く/法をとらえる―大西巨人『神聖喜劇』・野間宏『真空地帯』比較―」を『昭和文学研究』に発表した。第二の軸として研究を進めていた大岡昇平『野火』『俘虜記』等との比較は、所属機関内で構想発表を行ったものの有効な焦点を導き出すに至らず、別の比較対象を立てることも視野に入れて再検討中である。2014年3月12日の大西巨人死去を承けた追悼出版物『大西巨人 抒情と革命』(河出書房新社)には、「「別の長い物語り」のための覚書―『精神の氷点』から『神聖喜劇』へ―」を寄稿し、小説第一作と『神聖喜劇』の間での問題意識の継承と発展の見取り図を示した。夏からは二松學舍大学・山口直孝教授を中心とする大西巨人旧蔵書の整理に研究協力者として参画し、リスト作成やワークショップの開催(第1回は2015年2月)を行っている。9月の日本社会文学会拡大例会では、依頼により集英社『コレクション戦争×文学』の『日中戦争』『9.11 変容する戦争』収録作を論じる口頭発表を行い、内容を機関誌『社会文学』に掲載した。『二松學舍大学人文論叢』には、前年から続いて、大西とも交流のあった編集者・玉井五一氏への聞き書きの最終回を掲載した。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 『日中戦争』から『9・11』、そしてこれから―「変容」したもの、継続するもの―2015

    • 著者名/発表者名
      橋本あゆみ
    • 雑誌名

      社会文学

      巻: 41 ページ: 155-159

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 玉井五一氏に聞く―文学者との交流と創樹社の文学活動 “対立物を対立のまま統一”の地平へ!―2015

    • 著者名/発表者名
      話し手:玉井五一 聞き手:坂堅太・橋本あゆみ・山口直孝
    • 雑誌名

      二松学舎大学人文論叢

      巻: 94 ページ: 35-72

  • [雑誌論文] 軍隊を描く/法をとらえる―大西巨人『神聖喜劇』・野間宏『真空地帯』比較―2014

    • 著者名/発表者名
      橋本あゆみ
    • 雑誌名

      昭和文学研究

      巻: 69 ページ: 74-86

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 大西巨人『神聖喜劇』における兵士の加害/被害―野間宏『真空地帯』との比較から―2014

    • 著者名/発表者名
      橋本あゆみ
    • 雑誌名

      文藝と批評

      巻: 110 ページ: 27-38

    • 謝辞記載あり
  • [学会発表] 『日中戦争』から『9・11』へ――「変容」したもの、継続するもの2014

    • 著者名/発表者名
      橋本あゆみ
    • 学会等名
      日本社会文学会関東甲信越ブロック拡大例会「戦争と文学を考える:「戦争×文学」(集英社)を読む 第二回」
    • 発表場所
      早稲田大学
    • 年月日
      2014-09-27
    • 招待講演
  • [図書] 大西巨人 抒情と革命2014

    • 著者名/発表者名
      河出書房新社編集部(編)
    • 総ページ数
      256
    • 出版者
      河出書房新社

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公開日: 2016-06-01  

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