研究課題
平成27年度は,① 時刻の「開始」を制御する暗号技術,及び ② 時刻の「停止」を制御する暗号技術,それぞれについて研究を行った.① 前年度までに発表してきたタイムリリース暗号技術について,更に完成度を上げ,国際論文誌にて発表を行った.具体的には,情報理論的安全性に基づくタイムリリース秘密分散法について,拡張に関する議論を行ったものを発表した.また,計算量的安全性に基づくタイムリリース秘密分散法についても,前年度発表した論文に厳密な安全性証明や応用を与えた完全版を,国際論文誌に投稿している.また,前年度から国際論文誌に投稿中であったタイムリリース性をもつ情報理論的に安全な鍵共有方式,暗号化方式,認証方式に関する論文も,未だ査読中である.② クラウドストレージ上で時刻の「停止」を制御する放送型暗号技術について,国際会議等でポスター発表・招待講演を行った他,国内会議にて論文賞を受賞した.同内容は現在,査読付き国際会議に投稿中である.更に,同内容に関連して,放送型暗号技術における暗号文長と秘密鍵長間のトレードオフを効率的に達成する方式を提案し,国内会議及び国際会議で発表した.また,一定期間(一定時刻)ごとに鍵等の秘密情報を無効化可能な階層型鍵隔離暗号やIDベース暗号,検索可能暗号等の成果についても,国内会議及び国際会議で発表した.平成27年度の本研究課題計画は,これまでの研究成果から「任意の時刻で機能を制御するコア・プリミティブ」を抽出することであった.しかしながら,研究を進めていく中で,そのようなプリミティブを抽出し一般化するよりも,各基礎技術レベルで時刻制御機能を追求していく方が,それぞれより理想的な機能を実現できることに気付いた.従って,時刻制御機能をもつ各暗号基礎技術における基礎研究を完成させることで,本研究課題の最終目標の達成に結び付けた.
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2016 2015 その他
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 5件、 謝辞記載あり 7件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 4件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
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