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2014 年度 実績報告書

多成分溶媒中での大きな粒子の拡散

研究課題

研究課題/領域番号 13J04159
研究機関九州大学

研究代表者

中村 有花  九州大学, 理学府, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワード並進拡散係数 / 溶媒和構造 / Stokes-Einstein則 / 多成分溶媒 / 特異摂動
研究実績の概要

溶質周りに溶媒粒子がつくる密度分布が溶質の拡散にどう影響するかを理論的に明らかにするために、本年度は次の3点に取り組んだ。
1つめは前年度に定式化した摂動理論の検証で、拡散係数の計算結果を分子シミュレーションによる計算値と比較した。溶質が溶媒の8倍の大きさのとき誤差5パーセントで、溶質が大きくなるにつれて精度よく計算できることを明らかにした。摂動理論は、これまでの理論と違い有限サイズ効果なしに簡単に拡散係数を計算できるため、非常に有効な理論であることを示した。
2つめは摂動理論の1成分溶媒剛体球系に応用で、溶媒の密度が高いときに 流体力学のStokes-Einstein(SE) 則が破れることを明らかにした。溶媒密度を上げるにつれ SE則の破れは大きくなり、拡散係数は SE 則より小さい値をとる。SE則は溶媒の密度分布の効果を考慮していないため、SE則の破れは密度分布の効果と言える。また、動径分布関数を用いた考察によって、溶質表面の溶媒密度が高くなることが、SE 則の破れの大きさと強い相関があることが分かった。この研究によって、溶媒の密度が高くなるほど溶媒の密度分布の影響が大きいことが明らかになった。
3つめは速度場の解析であり、溶質表面の高密度によって溶質表面で溶媒速度が遅くなることが、SE則の破れの原因であることを明らかにした。溶質表面で溶媒の速度が急激に変化することで、溶質にかかる摩擦が大きくなり拡散係数が小さくなる。前年度に行った剛体球2成分溶媒系の計算においてもSE則の破れはみられている。この破れについても溶質表面で溶媒の速度が小さくなることが原因であることを明らかにした。この結果は、実験系において見られているSE則の破れの解釈にもつながると考えられる。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014 その他

すべて 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [学会発表] Effects of solvation structure on a large-particle diffusion2014

    • 著者名/発表者名
      中村有花、吉森明、秋山良
    • 学会等名
      Julich Soft Matter Days 2014
    • 発表場所
      ドイツ、バートホンネフ
    • 年月日
      2014-11-11 – 2014-11-14
  • [学会発表] 拡散係数におけるストークス-アインシュタイン則の破れ-溶質の大きさと溶媒の密度の効果-2014

    • 著者名/発表者名
      中村有花、吉森明、秋山良
    • 学会等名
      日本物理学会2014年秋季大会
    • 発表場所
      中部大学
    • 年月日
      2014-09-07 – 2014-09-10
  • [学会発表] Effects of solvation structure on diffusion and breakdown of the Stokes-Einstein relation2014

    • 著者名/発表者名
      中村有花、吉森明、秋山良
    • 学会等名
      The 8th Mini-Symposium on Liquids
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2014-07-05
  • [備考] 九州大学物性理論研究室ホームページ

    • URL

      http://www.cmt.phys.kyushu-u.ac.jp/ja/

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公開日: 2016-06-01  

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