計画していたタイでの現地調査を2014年5月・9月、2015年2月・3月に実施した。 これらの調査により、ムラブリ語の「男ことば・女ことば」について新しい語彙が確認された。また、話し手が消滅した可能性のあったムラブリ語のB方言について、6名の話者を確認し、簡単な語彙調査を実施することができた。また、これまで得られたムラブリ語A方言の資料とB方言の資料を比較し、その相違について研究発表を行った。その結果、文法はほとんど同じであること、基礎語彙の共有率が低いこと、「男ことば・女ことば」が逆転している例のあることが分かった。これらの特徴を説明しうる方言分岐のあり方を議論することが、今後の研究課題となる。
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