研究課題/領域番号 |
13J04348
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤田 充俊 京都大学, 基礎物理学研究所, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ゲージ/重力対応 / 弦理論、Dブレーン / 物性物理 / 分数量子ホール効果 |
研究実績の概要 |
レベルランク双対性を含むホログラフィにおける端状態の研究
私は前年に引き続き境界面をもつ場の理論のホログラフィの研究を進めました。特にレベルランク双対性を含むホログラフィにおける端状態の研究を行いました。用いられる理論は3次元のYang-Mills-Chern-Simons理論と2次元のカイラルフェルミオンです。これらは、一次元コンパクト化された複数枚のD3ブレーンにバックリアクションを考えないプローブのD7とanti-D7ブレーンを加える事によって得られます。D7ブレーンは、AdSの境界で1+1 次元で交わるように置くと、このD7 ブレーンはブレーンを横切った時にChern-Simons level が飛ぶdomain wall として解釈できる事を示す事ができます。Chern-Simons level が飛ぶdomain wallは物性物理の分野でもあまり知られていないため、レベルランク双対性が存在するこの模型でそのような界面を調べる事は興味深いです。まず、先行研究を参考にしてdefectの演算子とD7ブレーンの場の間の対応を調べました。我々が興味があるのは、特に元々のD3ブレーンのSO(6)対称性の元で不変な演算子です。ゲージ場等の非規格化されたモードについては、ホログラフィック繰り込みを実行し作用を有限にする事を試みました。そして、物性物理において興味深い二つの異なる端状態における演算子の間の相関を調べた他、自由エネルギーを計算しました。また、D7-anti-D7ブレーンが二つ以上ある時に系のパラメーターを変えていくと相転移が起こる事を示しました。同様な計算は、有限温度系の場合にも確かめられました。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
レベルランク双対性を含むホログラフィにおける端状態の研究は、去年の秋の学会発表や共同研究者による発表によって結果を報告しており、順調に進行していると考えられます。なお論文にまとめる最中で、もうすぐarXivに投稿する予定です。
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今後の研究の推進方策 |
レベルランク双対性を含むホログラフィの研究は、本年度中に論文にまとめて出版する予定ですが、今後も豊富な興味深い課題があります。例えば、様々な表現のWilson loopの期待値をホログラフィを用いて計算し、重力側でレベルランク双対性の作用を確かめてみる事は興味深いです。その他、オリエンティフォールド平面を加えて SO や USp のChern-Simons理論のレベルランク双対性を構築する事も興味深いです。
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