研究課題/領域番号 |
13J04479
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
小谷 大祐 京都大学, 学術情報メディアセンター, 特別研究員(DC1)
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キーワード | Software-Defined Networking / OpenFlow / 帯域制御 / 制御部 |
研究概要 |
平成25年度はネットワーク機器が過負荷に陥る問題を緩和する機構を提案した。 OpenFlowコントローラの高信頼化を実現する上では、ネットワーク機器上のコントローラと通信するソフトウェアが安定して動作し、コントローラとの通信を維持し続けることが重要である。ネットワーク機器のソフトウェアの処理性能は非常に低いため、コントローラがネットワークに流れるパケットの一部を必要としているときにネットワーク機器がそれらのパケットを全てコントローラに転送しようとすると、ネットワーク機器が過負荷に陥り、結果としてネットワークの制御が困難になるという課題があった。この課題に対して、パケット全体に対する帯域制限では制御に重要なパケットが多く欠落してしまう、それぞれのフローを記録して制限する手法には大量のフローによる記録の爆発的な増加の問題があった。 そこで、コントローラはほとんどの場合一部のヘッダの値しか見ていないことに着目し、コントローラはネットワーク機器でどのヘッダの値を記録するかを指定し、ネットワーク機器は指定されたヘッダの値のみを記録する、指定されたヘッダの値が一致したパケットに対して制限を適用する、という手法を提案した。これにより、コントローラで必要としないヘッダは無視することができ、大量のフローが流れる場合でもネットワーク機器の負荷は軽減できる。また、提案手法をOpen vSwitchに実装して評価を行い、提案手法を用いない場合と比べて大きく負荷が削減できていることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
OpenFlowネットワークを安定して制御する上での大きな課題の一つを解決する手法を提案し、これをべースにより柔軟な制御を行う環境を構築する準備ができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後はコントローラとネットワーク機器にネットワーク制御の処理を適切に分散し、計算資源を全体として有効に使って制御できるシステムを目指し、特にネットワーク機器で処理を行えるフレームワークについて研究を進める予定である。
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