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2013 年度 実績報告書

αキメリン遺伝子改変マウスを用いた神経回路形成メカニズムの解析

研究課題

研究課題/領域番号 13J04498
研究機関国立遺伝学研究所

研究代表者

香取 将太  国立遺伝学研究所, 個体遺伝研究系, 特別研究員(PD)

キーワード神経回路形成 / αキメリン / 細胞移動
研究概要

中枢神経系において正中の細胞は、正中線を交差すべき軸索に対しては誘因性キューとして働き、交差すべきでない軸索に対しては反発性キューとして働くという重要な役割を持つ。本研究で着目する分子αキメリン(Rac GTPase-Activating Proteinの一つ)は、エフリンB3の受容体であるEphA4の下流で反発性のシグナルを伝える役割を持つことが分かっている。αキメリン欠損マウスの脊髄では、正中線を誤って越える軸索が増加する。それ以外に脊髄の正中付近での灰白質領域の拡大が見られる。本研究ではそのメカニズムと神経回路形成における役割を中心に解析を行ってきた。本来エフリンB3陽性細胞は正中で障壁を形成するように分布しているが、αキメリン欠損マウスでは、その障壁の一部に隙間ができ、EphA4陽性細胞がそこへ集積するという異常を見つけた。この結果はEphA4-αキメリンのシグナリングが、正中線近傍からのEphA4陽性細胞の除去(細胞移動)、および、エフリンB3陽性細胞の正中線における障壁形成に関与していることを示す。αキメリン欠損マウスにおける脊髄正中付近の灰白質領域の拡大はEphA4陽性細胞の集積が原因であると推測する。エフリンB3陽性細胞は、軸索をガイドする役割を持つことから、αキメリンはこれまでに報告されているものとは異なるメカニズムで神経回路形成に関与している可能性が高く、今後の検証によって重要な結論が得られると期待している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究ではこれまでに神経回路形成におけるαキメリンの新たな役割の存在を示唆する結果を得ており、順調に進展している。

今後の研究の推進方策

研究を進めた結果、本課題の申請時に立てていたαキメリンの役割の仮説を変更し、新たな仮説を立てる必要があるのではないかと考えている。しかし、いづれの仮説であっても、神経回路形成におけるαキメリンの新たな役割を見つけるという大きな目的は変わらない。今後は新たな仮説を検証する実験を行う予定である。

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公開日: 2015-07-15  

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