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2013 年度 実績報告書

細胞内におけるSOD1蛋白質の構造・運動性解析による神経変性疾患の発症機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 13J04532
研究機関京都大学

研究代表者

村山 秀平  京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2013-04-26 – 2015-03-31
キーワードSOD1タンパク質 / in-cell NMR法 / 神経変性疾患
研究実績の概要

in-cell NMR法による筋萎縮性側索硬化症(ALS)関連タンパク質であるSOD1の細胞内における構造学的研究を行った。

本研究では、in vitroにおいて、凝集体を形成することが報告されている全長SOD1及びループを切断した変異体SOD1(SOD1ΔIVΔVII)を実験に用いた。in-cell NMR法により、全長SOD1ではNMRスペクトルを取得できなかったが、変異体SOD1に関して細胞内におけるNMRスペクトルの取得に成功した。測定の結果、in-cell NMRスペクトルと生理的な条件であるpH 7.4での試験管内でのNMRスペクトルが、異なっている領域が確認された。結果、これはヒスチジン残基のプロトネーションが原因であることを明らかにした。加えて、今回測定に用いているNMRチューブ内でストレスを受けた細胞では、細胞内がpH 6.2±0.2程度の酸性条件になっていることが明らかになった。また、測定時間中は、変異体SOD1に関して細胞内環境下でも、安定な構造を維持し、凝集を起こさないことが示された。また、

本研究が、タンパク質のミスフォールディングや凝集が原因とされる疾患に関して、その原因タンパク質の細胞内における構造情報を取得し、疾患メカニズム解析に寄与する一つのストラテジーを提案した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

競合研究による論文が発表されたため、急遽追加実験を行った上でそれまでのNMR実験のデータ解析結果を取りまとめた論文を発表しなければ、今後共同研究者の協力が得られなくなるという問題が生じ本研究目的の達成が困難となることが判明した。そのため研究の取りまとめ作業とそれに伴う新たな実験を行ったことにより、計画が変更となったから。

今後の研究の推進方策

膜透過性ペプチドを用いるタンパク質導入法では、測定に十分なタンパク質を細胞に導入できない場合がある。そのため、より多量のタンパク質を細胞内に導入する手法・条件の検討、またNMR測定条件下で細胞を長時間培養する測定系が、必要と考えられる。そこで、次年度では、細胞へのタンパク質導入法として、電気穿孔法(エレクトロポレーション法)の適用と条件検討を行い、より汎用性の高い手法として確立する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Pruning the ALS-associated protein SOD1 for in-cell NMR.2013

    • 著者名/発表者名
      Danielsson J, Inomata K, Murayama S, Tochio H, Lang L, Shirakawa M, Oliveberg M.
    • 雑誌名

      Journal of the American Chemical Society

      巻: 135(28) ページ: 10266~10269

    • DOI

      10.1021/ja404425r

    • 査読あり
  • [学会発表] 19F-NMR spectroscopy of proteins in mammalian cultured cells2013

    • 著者名/発表者名
      Shuhei Murayama
    • 学会等名
      5th Asia-Pacific NMR Symposium
    • 発表場所
      Boulevard Room at the Brisbane Convention and Exhibition Centre(オーストラリア、クイーンズランド州)
    • 年月日
      2013-10-27 – 2013-10-30

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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