研究課題/領域番号 |
13J04554
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
本多 倫彬 慶應義塾大学, 政策・メディア研究科, 特別研究員(DC2)
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キーワード | 平和構築 / 国際平和協力 / 自衛隊 / 国連平和維持活動 / 国際安全保障 / 平和活動 / 後方支援 / 施設科 |
研究概要 |
本年度は、特別研究員の1年目、博士課程の2.5年目に該当している。 本年度の成果は第1に、学位審査委員会による最終審査(2013年12月)、研究科委員会における投票を経て、2014年3月に博士(政策・メディア)の学位を取得したことである。 本年度は、2013年1月に実施した公聴会における審査を経て、博士学位審査を受ける資格を得ることができていたことから、研究成果を学位請求論文として纏めることを本年度の第1の課題とした。学位論文『平和構築と自衛隊 : 国際平和協力の実相と日本流支援の形成』においては、冷戦後に取り組みが進められてきた日本の平和構築支援について体系的な分析を行い、軍事組織に多様な活動が求められるように変化してきた国際的な平和活動の中で、自衛隊が変化にどのように対応していかなる機能を担い、またなぜそうした対応を行ってきたのかを明らかにするとともに、自衛隊の活動と国際協力機構(JICA)やNGOの活動との連接に焦点を当てた検討を行い、自衛隊を含めた日本の平和構築に関する制度とオペレーションの変容とを明らかにした。 以上が最大の研究成果であるが、博士論文執筆と並行して、研究計画に沿ってインタビュー及び資料の継続的な収集と精査を行った。とりわけ本研究では、日本の平和構築支援を実施レベルで担ったアクターである自衛隊と国際協力機構(JICA)、NGOの関係に焦点を当てることが研究全体の枠組みとなっているが、前年度までに順調に調査の進んでいた自衛隊とNGOと比して、JICAに関するものが不十分であったことから、本年度は特にJICAに焦点を当てて集中的に調査を行った。具体的にはJICA関係者へのインタビュー並びに、一次資料を中心に平和構築に関する資料の収集と精査を進め、JICAの平和構築の取り組みの変容とその背景にあった考え方の特徴とその変遷を明らかにした。本内容については、独立論文としての編集を進めており、本年度の早い段階で投稿予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初は2年計画で、関係者へのインタビュー及び1次資料の入手と精査を行い、「日本の平和構築支援の様相と意義とを考究する」ことを研究目的とした。1年目にあたる本年度は、順調に調査研究が進んだことから博士論文の執筆を進め、博士学位請求論文『平和構築と自衛隊―国際平和協力の実相と日本流支援の形成―』を提出して2014年3月に博士(政策・メディア)学位を取得した。以上のように当初の計画以上に研究は進展している。
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今後の研究の推進方策 |
博士論文として纏めることができたことで1つの区切りとはなったが、今後も引き続いて資料収集とインタビューの実施を行い、日本の平和構築支援に関する研究分野において、新しい視点を提供できる研究を継続していく。その際、博士論文で検証した「日本流の平和構築支援」を踏まえてさらに深めていくために、冷戦後の平和構築支援の様相のみならず、活動を担った組織そのものに焦点を当てて、その歴史的発展を踏まえて考察を進める。併せて、博士課程での研究成果を踏まえて学会報告や論文の執筆と公表を行う。2013年12月に博士学位論文提出以降、既に論文投稿等を進めており、2014年4月時点において査読論文を2本投稿済・審査中にあり、また投稿論文1本と、学会報告2回を本年度の前半で行うために、別に執筆を行っている。
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