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2014 年度 実績報告書

小腸排出トランスポーター・アダプター共発現細胞を用いた薬物相互作用と遺伝多型解析

研究課題

研究課題/領域番号 13J04561
研究機関金沢大学

研究代表者

清水 卓也  金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードトランスポーター
研究実績の概要

有機カチオントランスポーターOCTN1/SLC22A4は小腸上皮細胞の刷子縁膜に発現し、食餌由来の抗酸化物質エルゴチオネイン(ERGO)を含む基質の消化管吸収に関与している。これまで炎症性腸疾患(クローン病)患者の血中ERGO濃度が健常人よりも低下することを報告しており、このことはERGOがクローン病の診断マーカーになる可能性を示唆している。しかし、そのメカニズムは未だに解明されていない。本研究では、炎症部位に浸潤する腸管マクロファージに着目し、マクロファージによるERGOの初回通過取り込みを調べた。デキストラン硫酸ナトリウム (DSS)誘発性腸炎マウスのERGO血中濃度はコントロールマウスに比べ低下した。その一方で、腸管上皮細胞のOCTN1の発現と腸管組織中ERGO濃度はコントロールマウスに比べ高かった。興味深いことに、DSS誘発性腸炎マウスから単離した粘膜固有層単核球細胞(LPMCs)内にERGOが存在し、さらに、これら細胞における放射標識体ERGOの取り込みとOCTN1の発現が確認された。一方、コントロールマウスから単離したLPMCsではERGOは検出限界以下であった。また、ヒト単球性細胞株THP-1を分化させ、LPSで活性化させたマクロファージ様細胞においてもOCTN1の機能的な発現が確認された。腸管炎症時におけるOCTN1とERGOの病態生理学的な役割を解明するために、野生型とoctn1遺伝子欠損マウスにおいてDSS誘発性腸炎モデルを作製し、炎症の重症度の比較を行った。その結果、野生型に比べ遺伝子欠損マウスの方がDSS誘発性大腸炎の重症度が高いことが示された。結論として、OCTN1が活性化マクロファージに機能的に発現しており、これら細胞にERGOが取り込まれることが、腸管炎症時におけるERGOの体内動態変動に少なくとも一部寄与している可能性がある。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Organic cation transporter Octn1-mediated uptake of food-derived antioxidant ergothioneine into infiltrating macrophages during intestinal inflammation in mice.2015

    • 著者名/発表者名
      Takuya Shimizu, Yusuke Masuo, Saki Takahashi, Noritaka Nakamichi, Yukio Kato.
    • 雑誌名

      Drug Metabolism and Pharmacokinetics

      巻: なし

    • DOI

      10.1016/j.dmpk.2015.02.003

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Gene ablation of carnitine/organic cation transporter 1 reduces gastrointestinal absorption of 5-aminosalicylate in mice.2015

    • 著者名/発表者名
      Takuya Shimizu, Ai Kijima, Yusuke Masuo, Takahiro Ishimoto, Tomoko Sugiura, Saki Takahashi, Noritaka Nakamichi and Yukio Kato.
    • 雑誌名

      Biological and Pharmaceutical Bulletin

      巻: なし

    • 査読あり
  • [学会発表] Functional Expression of OCTN1/SLC22A4 in intestinal macrophages during gastrointestinal inflammation.2014

    • 著者名/発表者名
      Takuya Shimizu, Yusuke Masuo, Noritaka Nakamichi and Yukio Kato
    • 学会等名
      第29回日本薬物動態学会(JSSX)・第19回国際薬物動態学会(ISSX)合同年会
    • 発表場所
      San Francisco(USA)
    • 年月日
      2014-10-18 – 2014-10-23

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公開日: 2016-06-01  

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