研究課題/領域番号 |
13J04569
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
八木 祐介 九州大学, 農学研究院, 特別研究員(PD)
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キーワード | RNA / PPR / タンパク質工学 / 葉緑体 / ミトコンドリア |
研究概要 |
PPR蛋白質は、植物オルガネラRNAに配列特異的に結合し、様々なRNA調節に関わる。最近、申請者らはPPRモチーフと塩基が1対1で結合する事、モチーフ内の3カ所のアミノ酸の組み合わせが認識塩基を決定している事を明らかにした。本研究では、N末部位に塩基認識モジュールとしてPPRモチーフを並べ、C末部位に様々な触媒ドメインを付加したカスタムPPR蛋白質を作成することで、新しいRNA操作技術の創出を目指している。本年度は、主に塩基認識モジュールについての研究を行った。 PPR蛋白質は、植物ゲノム内に約500個コードされており、各々が異なる認識配列を有している。このことは、数百種類の認識配列を持つRNA結合蛋白質が天然に存在することを意味している。しかし、現在までに30種類程度しか標的配列が明らかにされていない。申請者らはPPRモチーフ内に並ぶアミノ酸情報から認識RNA配列を予測する手法を確立した。これを利用し新たにシロイヌナズナ葉緑体PPR蛋白質2つ、ヒメツリガネゴケミトコンドリアPPR蛋白質2つの標的を同定し、論文発表を行った。 次に、デザインしたPPR蛋白質のRNA結合性能を試験管内、細胞内で評価する系の構築に取り組んだ。いくつかの系を立ち上げ実験を行った結果、PPR-RNA結合の検出に成功した。しかし、現状では1蛋白質の性能評価に多くの時間を要するため、系のハイスループット化が今後の課題となった。次年度は、検出系の改良を行い、塩基認識モジュールの改変などを行っていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新たに4つのPPRタンパク質の機能解析が進み、国際誌に論文を掲載されたため。
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今後の研究の推進方策 |
予定通り研究を進めていく。デザインした改変PPRタンパク質の標的結合性能を評価していくと同時に触媒ドメインの開発も行う。
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