研究課題
申請者は、有用ながん治療抗体として期待される“BiTE抗体”のさらなる発展を目指し、肺がんを標的とした新規バイオマーカーの探索と“次世代型BiTE抗体”の開発に取り組んでいる。申請年度2年目では、所属研究室にて独自に同定した、乳がんの転移関連タンパク質であるEphrin receptor A10 (EphA10)をターゲットとするBiTE抗体のさらなる高機能化に向けた分子設計の最適化を試みた。その過程で、shingle-chain Diabody(scDb)フォーマットがBiTEフォーマットを上回る、優れた抗腫瘍活性を発揮することを見出した。さらに、in vitroにおける各種特性評価を実施したところ、このscDbフォーマットは、BiTEフォーマットと比較して、両抗原への結合特性を保持した上で高い熱安定性を示すことが明らかとなり、これらの特性が抗腫瘍活性増強の一因となったことを新たに見出した。以上の成果は、査読付き学術雑誌1報 (Biochemical and Biophysical Research Communications)に掲載され、新規に取得した内容をもとにした2報目を投稿中である。さらに、3つの国内学会 (第18回日本がん分子標的治療学会、第18回日本がん免疫学会総会、第13回次世代を担う若手ファーマバイオフォーラム)、2つの国際学会 (41st CRS Annual Meeting & Exposition、The 19th JFCR-ISCC)にて発表を行い、優秀発表賞を2度受賞した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件)
Biochemical and Biophysical Research Communications
巻: 456 ページ: 908~912
10.1016/j.bbrc.2014.12.030