研究課題/領域番号 |
13J04608
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
岩田 周介 九州大学, 歯学府, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 味覚 / アンギオテンシンⅡ / 塩味 / エンドカンナビノイド / 甘味 |
研究実績の概要 |
近年の研究で、我々は体内のNaバランス維持に働くアンギオテンシンⅡ(AngⅡ)が神経応答レベルでアミロライド感受性NaチャネルであるENaCに作用し塩味感受性を抑制、甘味感受性を促進するというデータを得ている。当研究室ではAngⅡ腹腔内投与による塩味応答変化の解析はある程度進んでいる。その一方で甘味応答のメカニズムは不明であることから、その候補としてエンドカンナビノイド(eCB)のレセプターであるCB1を介した作用に注目し実験を行った。CB1ノックアウトマウス(CB1-KOマウス)を用いた鼓索神経応答解析の結果や、野生型マウス(C57BL6J マウス:B6マウス)を用いたAngⅡ腹腔内投与後20分でCB1アンタゴニストであるAM251を腹腔内投与した群と、AngⅡ投与20分後に生理食塩水を投与した群、生理食塩水投与20分後に再度生理食塩水を投与したコントロール群とで鼓索神経応答解析の結果から、AngⅡによる甘味の増強にはCB1が関与していることがわかった。また、AngⅡの受容体であるAT1RのアンタゴニストであるCV11974腹腔内投与下での、AngⅡ腹腔内投与群と生理食塩水腹腔内投与群(コントロール)の鼓索神経応答の変化を比較では、CV11974腹腔内投与群でAngⅡによる甘味の増強効果の消失が認められた。過去の報告からAT1Rの活性化により、その下流でeCBが合成され、CB1のトランス活性化が生じていることが予想される。また鼓索神経応答解析において繰り返しの甘味刺激を行うと経時的な甘味応答の増大が生じることが確認された。甘味受容体T1R2/T1R3もAT1同様、G蛋白質共役型受容体であり、受容体の活性化によりその下流でeCBの合成が進むことにより、CB1のトランス活性化を介した甘味応答の増強が生じていることが考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初報告した年次計画にあわせ、順調に実験が進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
免疫組織化学的手法を用い、味蕾内でのAT1RとCB1Rの共発現の確認を行う。また甘味の繰り返し刺激による経時的な甘味応答の増大がCB1を介し生じているか確認を行う為、鼓索神経応答解析を用いB6マウスにおけるAM251投与群と生理食塩水投与群、またCB1-KOマウスとB6マウスでの繰り返し刺激による応答変化の比較・検討を行う。
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