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2014 年度 実績報告書

黒毛和種由来ウシiPS細胞の樹立とゲノム多型評価系の構築

研究課題

研究課題/領域番号 13J04781
研究機関東北大学

研究代表者

片山 雅史  東北大学, 農学研究科, 特別研究員(DC1)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードiPS細胞 / 黒毛和種
研究実績の概要

本研究ではウシ、特に黒毛和種由来のiPS細胞の樹立に取り組んでいる。黒毛和種は我が国が誇る貴重な遺伝資源であり、iPS細胞を樹立することができれば、我が国の食肉生産に大きく貢献することができる。将来の食肉生産への応用を考えたとき、遺伝子を挿入した食品では我が国では消費者の安心が得られない。そこで本年は遺伝子挿入を伴わない方法でのiPS細胞の樹立を試みた。
iPS細胞樹立のための初期化因子およびインヒビター条件を詳細に洗い出した結果、iPS-likeな細胞を得ることができた。そこで、我々はこのiPS-likeな細胞の性質を詳細に解析を始めた。予想以上にiPS-likeな細胞の樹立が難航したため、解析は現在も進行中であるが、種々の未分化状態を示すマーカーで陽性であることが示唆された。加えて、継代を続けても様々な幹細胞の性質を維持出来ることも示された。多くのiPS細胞において、長期継代中に幹細胞の性質を維持することが難しいとされていることから、大きな成果ということができる。さらに、現在まで高品質なウシのiPS細胞の樹立報告が得られていない。このことから、本年度得られた結果は、大きな進展であると考えられる。
最終年度である来年度は本年得られたiPS-likeな細胞の性質を詳細に検討すること、さらに品質の高いウシiPS細胞の樹立条件を探索すること、そして得られたiPS細胞を用いて、ゲノム多型評価系を構築することを目標とする。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

申請時より、2年度目(本年度)の到達目標を遺伝子挿入を伴わない黒毛和種のiPS細胞の樹立としていた。本年度では遺伝子挿入を伴わない黒毛和種のiPS細胞の樹立のための十分なデータを得ることができた。この結果から本年度の到達度は、おおむね順調に進展していると言うことができる。最終年度である来年度は当初の目標を達成させるため精力的に研究を進める予定である。

今後の研究の推進方策

本研究では黒毛和種由来のウシiPS細胞の樹立とゲノム多型評価系の構築を課題としている。本年まで、ウシiPS細胞の樹立条件、特に遺伝子挿入を伴わないウシiPS細胞を樹立出来る条件を洗い出すことに成功した。これらの条件を適応させることでウシiPS-likeな細胞を得ることが出来た。現在この細胞の詳細な性質を解析しており、今後は更なる解析をつづける。加えて、ゲノム多型評価系の構築のためにゲノム編集戯述をこのウシiPS-like細胞に応用させる。申請時にはZinc Fingerを使用する予定としたが、近年、CRISPER/Cas9システムというより簡便なゲノム編集システムが報告された。本研究でも同システムを使用してウシiPS細胞のゲノム編集を実施する予定としている。さらに、より高品質なウシiPS細胞の樹立のための条件探索も引き続きおこなうこととする。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Coffee consumption delays the hepatitis and suppresses the inflammation related gene expression in the Long-Evans Cinnamon rat2014

    • 著者名/発表者名
      Masafumi Katayama, Kenichiro Donai, Hiroyuki Sakakibara, Yukiko Ohtomo, Makoto Miyagawa, Kengo Kuroda, Hiroko Kodama, Kazufumi Suzuki, Noriyuki Kasai, Katsuhiko Nishimori, Takafumi Uchida, Kouichi Watanabe, Hisashi Aso, Emiko Isogai, Hideko Sone, Tomokazu Fukuda
    • 雑誌名

      Clinical Nutrition

      巻: 33 ページ: 302-310

    • DOI

      doi: 10.1016/j.clnu.2013.05.006

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Changes in estrogen receptor expression in the chick thymus during late embryonic development2014

    • 著者名/発表者名
      Masafumi Katayama, Tomokazu Fukuda, Toshimitsu Hatabu, Kiyoaki Narabara, Asaki Abe, Yasuhiro Kondo
    • 雑誌名

      Animal Science Journal

      巻: 85 ページ: 277-285

    • DOI

      doi: 10.1111/asj.12114

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Primary fibroblast cultures and karyotype analysis for the olive ridley sea turtle (Lepidochelys olivacea)2014

    • 著者名/発表者名
      Tomokazu Fukuda, Masafumi Katayama, Kodzue Kinoshita, Takashi Kasugai, Hitoshi Okamoto, Kiyoshige Kobayashi, Masanori Kurita, Makoto Soichi, Kenichiro Donai, Takafumi Uchida, Manabu Onuma, Hideko Sone, Emiko Isogai, Miho Inoue-Murayama
    • 雑誌名

      In Vitro Cellular and Developmental Biology

      巻: 50 ページ: 381-383

    • DOI

      10.1007/s11626-013-9715-0

    • 査読あり
  • [学会発表] Long-Evans Cinnamonラットをモデルとしたコーヒーによる肝炎抑制効果の肝臓内分子機構の解明2015

    • 著者名/発表者名
      片山雅史、榊原啓之、大友由紀子、西森克彦、福田智一
    • 学会等名
      日本農芸化学会2015年度大会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2015-03-26 – 2015-03-29
  • [学会発表] Establishment of an immortalized cell line derived from Prairie Vole by lentivirus-mediated transduction of mutant CDK4, Cyclin D and hTERT2014

    • 著者名/発表者名
      Masafumi Katayama, Tohru Kiyono, Kengo Horie, Takashi Hirayama, Takahiro Eitsuka, Shizu Hidema, Katsuhiko Nishimori, Tomokazu Fukuda
    • 学会等名
      The 27th Annual Meeting of Japanese Association for Anima Cell Technology
    • 発表場所
      Kitakyushu International Conference Center
    • 年月日
      2014-11-11 – 2014-11-14
  • [学会発表] 変異型ヒトCDK4, CyclinD, hTERT発現による鳥類の不死化細胞の樹立の試み2014

    • 著者名/発表者名
      片山 雅史, 土内 憲一郎, 清野 透, 大沼 学, 西森 克彦, 村山 美穂, 福田 智一
    • 学会等名
      第20回野生動物医学会
    • 発表場所
      つくば国際会議場
    • 年月日
      2014-09-16 – 2014-09-18

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公開日: 2016-06-01  

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