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2013 年度 実績報告書

エリスリナアルカロイドの合成研究

研究課題

研究課題/領域番号 13J04813
研究機関東京大学

研究代表者

海原 浩辰  東京大学, 大学院薬学系研究科, 特別研究員(DC1)

キーワード全合成 / 中員環 / 渡環反応
研究概要

本年度は合成ルートの実現可能性を確かめるべく、まずは代表的なエリスリナアルカロイドであるerythralineのラセミ体全合成を行った。市販品からそれぞれ4工程の変換を行うことで合成したヨウ化アリールとボロン酸エステルを、鈴木-宮浦カップリング反応の条件に付すことで結合させ、ビアリール化合物へと導いた。続いて、数工程の変換を行うことで得られたアミノ酸の分子内縮合反応を行うことで、9員環ラクタムを構築した。フェノール性水酸基の保護基を除去することで得られたフェノールに対し、塩基存在下、一重項酸素を作用させたところ、鍵反応であるフェノールの酸化と引き続く渡環マイケル付加反応が一挙に進行し、天然物の主骨格を構築することができた。こうして得られた鍵反応成績体の脱水反応を行うことで文献既知化合物へと導き、さらに数段階の変換を行うことで、eryhralineのラセミ体全合成を達成することに成功した。
本合成ルートは、エリスリナアルカロイドに共通する主骨格を一挙に構築している点および、市販の原料から14工程と短段階にて天然物が合成できている点で効率的な合成経路であるといえる。また、鍵反応となるフェノールの酸化において、一重項酸素を利用している点で独創的である。さらに、不斉全合成においても鈴木-宮浦カップリング反応、アミノ酸の分子内縮合反応、そしてフェノールの酸化と渡環マイケル付加反応を用いるため、本合成ルートで得られた知見をそのまま利用することができる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

不斉全合成に適用可能なラセミ体全合成ルートを確立することが出来たため。

今後の研究の推進方策

ラセミ体全合成で得られた知見を基に、不斉全合成を行う予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] Synthetic Studies on Erythrina Alkaloids2013

    • 著者名/発表者名
      Hirotatsu Umihara, Tomomi Yoshino, Jun Shimokawa, Masato Kitamura, Tohru Fukuyama
    • 学会等名
      24th International Society of Heterocyclic Chemistry Congress
    • 発表場所
      上海(中華人民共和国)
    • 年月日
      20130909-10
  • [学会発表] Synthetic Studies on Erythrina Alkaloids2013

    • 著者名/発表者名
      Hirotatsu Umihara, Tomomi Yoshino, Jun Shimokawa, Masato Kitamura, Tohru Fukuyama
    • 学会等名
      13th International Conference on the Chemistry of Antibiotics and other bioactive compounds
    • 発表場所
      富士ビューホテル(山梨県)
    • 年月日
      2013-09-25
  • [学会発表] エリスリナアルカロイドの合成研究2013

    • 著者名/発表者名
      海原 浩辰、吉野 友美、下川 淳、北村 雅人、福山 透
    • 学会等名
      第55回天然有機化合物討論会
    • 発表場所
      同志社大学(京都府)
    • 年月日
      2013-09-20
  • [学会発表] Synthetic Studies on Erythrina Alkaloids2013

    • 著者名/発表者名
      Hirotatsu Umihara, Jun Shimokawa, Tohru Fukuyama
    • 学会等名
      Thieme NAGOYA Symposium
    • 発表場所
      名古屋大学(愛知県)
    • 年月日
      2013-05-23

URL: 

公開日: 2015-07-15  

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