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2014 年度 実績報告書

フェムト秒レーザーを用いた固体表面からの光誘起原子脱離過程の解明

研究課題

研究課題/領域番号 13J04829
研究機関京都大学

研究代表者

宮坂 泰弘  京都大学, 化学研究所, 特別研究員(PD)

キーワードフェムト秒レーザー / アブレーション / 金属
研究実績の概要

フェムト秒レーザーを金属に照射した場合のアブレーション率に関する報告はレーザーを金属に垂直入射した場合に限られており、レーザーを斜入射した場合のアブレーション率については入射角度と偏光から求まる反射率を考慮にいれて議論されている現状にある。しかし、本研究でフェムト秒レーザーを斜入射した場合のアブレーション率のレーザーフルーエンス依存性を種々の金属(Cu, Ti, Mo, W, Pt, Au)に対して調べることによって、反射率の議論だけでは正しく斜入射のアブレーション率を議論が出来ないことが明らかになった。一次元二温度モデルから導出される従来の説明では、アブレーション率を決める指標の一つとして光の侵入長が用いられてきた。光の進入長は入射角度による変化が極めて小さく偏光に依存しないことが知られているが、本研究結果では従来光の侵入長として説明されてきたパラメータが入射角度と偏光に大きく依存した。特に、S偏光照射時には垂直入射に比べて小さくなり、アブレーション率のフルーエンス依存性も反射率の変化だけを考慮に入れた議論からは大きく異なる。フェムト秒レーザーは照射点周囲への熱影響が少ないことや、アブレーション率1nm以下という極薄アブレーションが可能なこと、自己組織的に波長以下の周期間隔をもつ溝構造を形成することができることなどから付加価値の高い加工への応用が期待されており、制御性向上の観点からアブレーション物理機構の詳細が求められている。本結果は従来のモデルではフェムト秒レーザーアブレーションが説明できないことを明らかにし、フェムト秒レーザーアブレーションの物理機構を構築するための重要な結果である。

現在までの達成度 (段落)

本研究課題は平成26年度が最終年度のため、記入しない。

今後の研究の推進方策

本研究課題は平成26年度が最終年度のため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] Derivation of effective penetration depth of femtosecond laser pulses in metal from ablation rate dependence on laser fluence, incidence angle, and polarization2015

    • 著者名/発表者名
      Yasuhiro Miyasaka, Masaki Hashida, Takaya Nishii, Shunsuke Inoue and Shuji Sakabe
    • 雑誌名

      Applied Physics Letters

      巻: 106 ページ: 013101-1,013101-5

    • DOI

      10.1063/1.4905353

    • 査読あり
  • [学会発表] フェムト秒レーザー斜入射における金属アブレーション率のフルーエンス依存性2015

    • 著者名/発表者名
      宮坂泰弘
    • 学会等名
      日本物理学会第70回年次大会
    • 発表場所
      早稲田大学早稲田キャンパス
    • 年月日
      2015-03-23
  • [学会発表] 金属のフェムト秒レーザーナノアブレーション機構~斜入射におけるアブレーション率と光の進入長~2015

    • 著者名/発表者名
      宮坂泰弘
    • 学会等名
      レーザー学会学術講演会第35回年次大会
    • 発表場所
      東海大学品川キャンパス
    • 年月日
      2015-01-11
  • [学会発表] Dependence of ablation rate on laser fluence for metals by oblique femtosecond laser irradiation2014

    • 著者名/発表者名
      Yasuhiro Miyasaka
    • 学会等名
      9th International Conference on Photo-Excited Processes and Applications
    • 発表場所
      くにびきメッセ
    • 年月日
      2014-10-01
  • [学会発表] フェムト秒レーザーによる金属アブレーション率の入射角度依存性2014

    • 著者名/発表者名
      宮坂泰弘
    • 学会等名
      日本物理学会2014年秋季大会
    • 発表場所
      中部大学春日井キャンパス
    • 年月日
      2014-09-10
  • [学会発表] フェムト秒レーザー照射における金属のアブレーション率2014

    • 著者名/発表者名
      宮坂泰弘
    • 学会等名
      電気学会光応用・視覚研究会
    • 発表場所
      大阪産業大学梅田サテライト
    • 年月日
      2014-07-31
  • [学会発表] Ablation rate dependence on incident angle and polarization for copper irradiated by femtosecond laser pulses2014

    • 著者名/発表者名
      Yasuhiro Miyasaka
    • 学会等名
      The 9th Asia Pacific Laser Symposium/Pacific-rim Laser Damage'14
    • 発表場所
      パシフィコ横浜
    • 年月日
      2014-04-23

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公開日: 2016-06-01  

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