研究課題
申請者は、研究期間内において、以下の内容について解析を行った。「Atg32の151番目から200番目までの50アミノ酸残基は、Atg32集積の制御に寄与している」出芽酵母のマイトファジー特異的分子であるAtg32は、マイトファジー誘導条件下において、ミトコンドリア上に集積をすることが、これまでの研究成果から明らかになっていた。さらに申請者は、151番目からの50アミノ酸欠損させたAtg32(Atg32⊿151-200a.a.)を発現させた酵母では、マイトファジーが誘導されない富栄養条件下においても、ミトコンドリア上でAtg32が集積することを明らかにした。その集積はAtg11欠損時においては確認されなかった。さらには、Atg32⊿151-200a.a.を発現させた酵母では、富栄養条件下において、Atg32⊿151-200a.a.のリン酸化修飾が確認された。過去に申請者らが報告した研究結果から、マイトファジーを誘導する栄養飢餓条件下において、Atg32の114番目と119番目のセリン残基がCasein kinase 2(Ck2)によってリン酸化修飾を受けることが分かっている。さらに興味深い事に、114番目と119番目のセリン残基をアラニン残基に置換した変異株では、富栄養条件下におけるAtg32⊿151-200a.a.のリン酸化修飾は確認できなかった。このことから、Atg32 の151-200a.a.ドメインは、114/119 セリン残基のリン酸化修飾を、負に制御している可能性が考えられた。そこで申請者は、負の制御因子の探索を目的として、Atg32と結合能を有するタンパク質の同定を、Mass解析法を用いて、試みている。また、同時に、NMR法によりAtg32の151-200a.a.ドメインの構造解析も行っている。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)
Autophagy
巻: 11 ページ: 332-43
10.1080/15548627.2015.1023047
Journal of Cell Science
巻: 127 ページ: 3184-96
10.1242/jcs.153254