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2013 年度 実績報告書

TEM/ESEM/MEMSを駆使した熱伝達素過程の探求

研究課題

研究課題/領域番号 13J04996
研究機関九州大学

研究代表者

山田 寛  九州大学, 工学府航空宇宙工学専攻, 特別研究員(DC2)

キーワード凝縮 / ESEM / グラファイト
研究概要

熱伝達素過程のひとつである凝縮は相変化によって多くの熱を輸送することができる。特に滴状凝縮は膜状凝縮と比較して高い熱輸送能力を示すことが報告されている。そのため、滴状凝縮を利用するための凝縮面などが研究されているが、さらに効率を高めるためにはマイクロスケールの液滴の生成・離脱が重要な課題となっている。しかしながらこれまでの諸論では濡れ性が一様な面を扱っており、濡れ性を制御した面上でのこのようなスケールの凝縮メカニズムは明らかになっていない。そこで本研究では剥離したグラファイト上での凝縮を観察し議論することでこの問題を明らかにする。実験で使用するグラファイト表面はナノスケールのステップを無数に有しており、ステップ部分は比較的親水性になっている。この表面構造は凝縮する位置を明らかにするため原子間力顕微鏡(AFM)によって予め観察される。凝縮実験は環境制御型走査電子顕微鏡(ESEM)内で行い、表面温度0℃、圧力560Paにおいて直径150nm以上の液滴が150nm以上の間隔でステップに沿ってできていることが観察された。この時液滴間隔はステップが高く、ステップ間隔が狭いほど短くなる傾向が得られた。この結果を説明するため親水部分に水分子が数層吸着されると仮定して古典核生成理論を拡張したモデルを提案する。このモデルと実験結果を比較すると、核生成時の接触角が100であると仮定するとほぼ一致することが明らかになった。ここで得られた結果は、凝縮した液滴を効率良く離脱させることのできる表面の設計に役立つと考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ESEMを用いてナノスケールの液滴の観察を行い、現象を説明するモデルを構築することができた。

今後の研究の推進方策

これまでに得られた知見をもとに、液滴を効率的に離脱させることのできる面の設計、試作を行う。またESEMでは100nm程度の液滴を観察することが限界であるため、今後はAFMを用いて凝縮を観察しマイクロ、ナノスケールにおける凝縮メカニズムを明らかにしていく。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] Submicron-scale condensation on hydrophobic and hydrophilic surfaces2013

    • 著者名/発表者名
      Yutaka Yamada, Tatsuya Ikuta, Takashi Nishiyama, Koji Takahashi and Yasuyuki Takata
    • 学会等名
      ASME 2013 International Mechanical Engineering Congress & Exposition (IMECE2013)
    • 発表場所
      San Diego アメリカ
    • 年月日
      2013-11-20
  • [学会発表] ESEMを用いたグラファイト面上の液滴凝縮過程に関する研究2013

    • 著者名/発表者名
      山田寛, 草場彰, 生田竜也, 西山貴史, 高橋厚史, 高田保之
    • 学会等名
      熱工学コンファレンス2013
    • 発表場所
      青森
    • 年月日
      2013-10-20
  • [学会発表] Microscopic Mechanism of Water Condensation on HOPG2013

    • 著者名/発表者名
      Yutaka Yamada, Akira Kusaba, Tatsuya Ikuta, Takashi Nishiyama, Koji Takahashi and Yasuyuki Takata
    • 学会等名
      Innovative Materials for Processes in Energy Systems (IMPRESS)
    • 発表場所
      Fukuoka
    • 年月日
      2013-09-06

URL: 

公開日: 2015-07-15  

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