研究課題である幸福度に関する研究を中心に様々な研究を行った。第1に、昨年度までに行ってきた幸福度や感情が時間選好に与えるかどうかを明らかにする実験研究ならびに、アイトラッカーを用いて時間割引課題の意思決定プロセスを明らかにする実験研究の分析をさらに進め、それぞれ論文の改訂を行った。 第2に、第1の研究で用いたAndreoni and Sprenger(2012)によって新しく考案されたConvex Time Budget(CTB)法という時間選好の計測手法を用いた場合でも、従来の方法で時間選好を計測した際にも観察される時間割引のアノマリーが確認されるかどうかの検証を行った。その結果、期間効果は確認されたが、date/delay効果は確認されず、遅れと早めの非対称性は正反対の結果が確認された。実験結果をまとめ、国内外の学会等で報告した。 第3に、消費税と所得税の好みを明らかにする選択実験を行った。外税表記の消費税を所得税と同様に内税表記であると誤認しているため、同等な税負担である場合でも名目的な税率が高くなる消費税を好まないことを明らかにした。論文の初稿を完成させ、複数の学会等で報告した。特に、第10回応用経済学コンファレンスで報告した際には優秀論文賞を受賞した。
|