研究課題
HTLV-1(Human T cell leukemia virus type-1)はCD4陽性Tリンパ球に感染し、腫瘍性疾患である成人T細胞白血病(ATL)を引き起こす。これまでの研究で様々な抗HTLV-1治療法の開発が行われてきた。抗HTLV-1免疫を誘導する樹状細胞療法などが行われており、抗ウイルス免疫を賦活する免疫療法はHTLV-1関連疾患に対して有望な治療法になることが期待されている。本研究では新たなツールとして HTLV-1抗原を発現する遺伝子組換えワクシニアウイルス(rVV)を用いた抗HTLV-1ワクチンの作製と機能評価を行い、HTLV-1霊長類モデルを用いて体内でのウイルス感染細胞の動態を解析した。これまでの研究で私は点変異HBZ抗原(HBZ LL/AA:L27A/L28A)を発現する組換えワクシニアウイルスがマウスでのHBZ-induced ATLモデルの生存率を延長させることを見出した。生体内でのrVVによるワクチン効果を調べる為にSTLV-1感染ニホンザルをHTLV-1感染の霊長類モデルとして実験に使用した。STLV-1のウイルス抗原であるSTLV-1 Tax(sTax)とSTLV-1 bZIP factor(SBZ)を発現するワクシニアウイルスを接種し、生体内に感染したSTLV-1の体内動態を解析した。その結果、STLV-1抗原を発現するワクシニアウイルスはSTLV-1感染CD4 T細胞を減少させることが示された。本研究ではSTLV-1感染ニホンザルをHTLV-1感染霊長類モデルとして用いて、組換えワクシニアウイルスを組み合わせてより効果的な抗HTLV-1療法の開発を行った。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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