研究課題/領域番号 |
13J05318
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
澤 真理子 山口大学, 連合獣医学研究科, 特別研究員(DC1)
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キーワード | 獣医学細胞診 / イヌ・ネコ / 腫瘍 / 高度免疫細化学診断法 / 多重蛍光抗体法 / リンパ種 / 免疫学的表現型 / 形態計測学的診断法 |
研究概要 |
細胞診は獣医臨床医学において必須の検査法であるが、医学細胞診に比べると著しく立ち遅れている。本研究ではイヌおよびネコの腫瘍細胞診の高度化を目的とした基礎的研究を行うことを目的とし、以下の3つのサブテーマを設定した。(1)高度免疫細胞化学的診断法の開発 : イヌおよびネコの腫瘍病理学的診断に有用性が知られているマーカーについて、多重蛍光抗体法やギムザ染色との重染色法など、実用性と迅速性に優れた高度診断法を開発する。病理組織学的診断との整合性を定量醗に解析することでその感度と特異度を評価し、細胞診における新規の高度診断法を確立する。(2)形態計測学的診断法の開発 : ギムザ染色やパパニコロウ染色、および細胞増殖・アポトーシスのマーカーの免疫染色を施した細胞診標本を用いて形態計測額的解析を行い、その結果から細胞診においていかなるパラメータが腫瘍の悪性度評価に有用であるのかを明らかにする。(3)局所病態解析 : シクロオキシゲナーゼ(COX)-2と上皮間葉転換(EMT)に焦点を当てた解析を行う。 初年度の研究は、以後の研究を円滑に実施するための基礎的実験を中心に行った。鹿児島大学附属動物病院にて外科的に摘出された、あるいは針生検等で得られた腫瘍組織から細胞診標本を得た(未染色標本の一部は凍結保存した)。形態計測学的研究(研究目的-2)は進行中であり、随時症例数を追加して解析を進めている。高度免疫細胞化学的診断法の開発(研究目的-1)については、リンパ球に対する多重蛍光抗体法を開発し、イヌとネコのリンパ種症例における免疫学的表現型の分類法を確立した。本法により、1枚の細胞診標本から容易にリンパ種症例の免疫学的表現型を分類することか可能となり、その臨床的意義は高いと考えられる。また、多重蛍光抗体法とギムザ染色との重染色注についても検討を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究目的の3つのサブテーマのうち、高度免疫細胞化学的診断法の開発(研究目的-1)および形態計測学的診断法の開発(研究目的-2)については進行中であり、それぞれ確立した診断法を用いて随時症例数を追加し、解析中である。局所病態解析(研究目的-3)については、随時細胞診標本を収集しており、十分な症例数が集まり次第、基礎実験を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
高度免疫細胞化学的診断法の開発(研究目的-1)については、すでに検出法を確立したマーカー(サイトケラチン、ビメンチン、S-100)以外のマーカーについても検出法の開発を行い、腫瘍診断に対する有用性を解析する。形態計測学的診断法の開発(研究目的-2)および局所病態解析(研究目的-3)については、十分な症例数が集まり次第、順次データを蓄積していく。
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