研究課題
本研究では,検疫における新興・再興感染症の高精度の検出とその流行予防のため,自己組織化マップを用いた迅速・高信頼性感染症スクリーニングシステムの構築を目的である。26年度は,より検疫現場のニーズに応え,自己組織化マップ判別関数の機能を向上させ,さらに感染症の重症度の検出に成功した。具体的に,(1)自己組織マップ構築における各パラメータ(マップサイズ,学習率,学習回数)の詳細な検討,最適化を行った。(2)自己組織マップ判別アルゴリズムを感染症スクリーニングシステムへ実装し,リアルタイムで結果を表示できるように改良した。(3)非接触で計測された心拍数・呼吸数・顔表面温度から血中酸素飽和度が96%以下の重症患者の検出法を提案,実証を行った。研究成果として,4件の論文誌,3件の国際学会発表,3件の国内学会発表等を積極的に外部へ研究発表を行った。
2: おおむね順調に進展している
当初の計画通り,感染症スクリーニングシステムに実時間自己組織化マップ判別関数を実装し,2014年冬季の季節性インフルエンザ患者を対象にその判別精度の実証を行った。その検出率が約85%以上であり,実用できる程度までに達した。さらに,より検疫現場のニーズに応え,自己組織化マップ判別関数の機能を向上させ,血中酸素飽和度が96%以下の重症患者の検出の検出に成功した。
基本的に,計画通りに推進していく。しかし予想できる問題点として,当初計画した感染症が多発しているベトナムでのデータ収集に,現地との調整などに遅れが生じる可能性がある。その場合は,日本国内でデータ収集および性能評価を行う。
すべて 2015 2014 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) 備考 (1件) 産業財産権 (2件) (うち外国 1件)
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