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2013 年度 実績報告書

ウシ心筋FoF1ATP合成酵素の機能する完全複合体の構造解析

研究課題

研究課題/領域番号 13J05370
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

慈幸 千真理  大阪大学, 蛋白質研究所, 特別研究員(PD)

キーワード膜蛋白質 / 三次元結晶化 / 電子顕微鏡観察
研究概要

F1の構造に続き、JohnWalker博士のグループは次々にATP合成酵素のサブユニット構造を明らかにしている。それらの構造によってATP合成酵素の理解は進んだが、構造学的研究はまだ終わっていない。可溶性ドメイン(F1)では、ATPの合成反応が行われ、膜結合ドメイン(Fo)はプロトンポンプとして機能している。現在報告されている構造では、膜に結合しているFoドメインの構造がわからないため、プロトン輸送機構を解明することができない。本研究では、超分子複合体の膜結合たんぱく質のため、大変不安定なATP合成酵素の全体構造を解き機能を明らかにしたい。申請者のグループは、ウシ心筋ATP合成酵素の全長を精製することができ、その試料を用い、申請者は、ATP合成酵素全体の三次元構造の決定を行う。はじめに、精製された試料が三次元結晶化に適しているかを電子顕微鏡による観察と動的光散乱(DLS)で評価を行った。その結果、試料は、1分子では存在せず、紐状に連なって、大きな集合体になっていることがわかった。この結果から、ATP合成酵素を可溶化した界面活性剤では、三次元結晶化の成功は不可能であると考え、最適な、界面活性剤を検索することにした。
界面活性剤の検索は、幅広く行う必要があり、他の異なる膜蛋白質の三次元結晶化に成功している界面活性剤やATP合成酵素を可溶化した界面活性剤に構造が似ている界面活性剤のうち、これまでに15種類の界面活性剤への置換を行った。その中で、界面活性剤のCYMAL7に置換した結果、ATP合成酵素の分子が大きな集合体を形成していないことがわかった。しかし、CYMAL7に置換したサンプルも電子顕微鏡から小さな集合体は見られ、DLSの結果からも単分散でないことがわかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

三次元結晶を得る事は出来ていないが, その原因を探るべく, 電子顕微鏡とDLSを用いた地道な試料評価を行った結果、界面活性剤CYMAL7の有効性を示す事ができている。

今後の研究の推進方策

CYMAL7で置換したサンプルをゲル濾過クロマトグラフィによって、小さい集合体を除く精製、CYMAL7への置換の方法(ATP合成酵素全長を安定に保つための方法)の検討、CYMAL7よりも三次元結晶化に適した界面活性剤の探索を行っていく予定である。また、これらの方法により安定に置換することができた単分散のサンプルを使用して、三次元結晶化のスクリーニングも行う。

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公開日: 2015-06-25  

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