研究課題/領域番号 |
13J05422
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
金 亮希 京都大学, 再生医科学研究所, 特別研究員(DC2)
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キーワード | 細胞増殖因子 / ハイドロゲル / 徐放化 / 細胞足場 / 細胞動員因子 / 骨再生 / ケモカイン / 再生治療 |
研究概要 |
本研究の目的は細胞の体内動員を促すための足場の設計である。そのために足場の孔構造、表面性状、力学特性などが細胞の増殖分化に与える影響について調べる。細胞接着因子や細胞増殖因子を組み込み、細胞の増殖分化に与える相乗効果を評価する。加えて、足場を動物体内に埋入後、体内での細胞の挙動を調べる。 本研究は、孔サイズの異なるポリビニルアルコール(PVA)スポンジをマウス背部皮下に埋入、スポンジ内に侵入する細胞の数と種類について調べたところ、孔サイズが侵入細胞数に影響を与えることがわかった。次に、体内での細胞増殖因子および細胞動員因子の活性を高めるための因子徐放用のハイドロゲルを作製した。ハイドロゲルから因子を徐放化することで体内での細胞の増殖および動員を促すことができた。次に、細胞動員因子と細胞増殖因子とを同時に徐放化できるハイドロゲルを調製した。このハイドロゲルをラット骨欠損部に埋入したところ、細胞増殖因子のみの徐放群に比べて、有意に動員細胞数が増え、その増殖が促され、骨再生修復が認められた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
細胞動員因子の徐放化が可能となり、それと細胞増殖因子との徐放化を組み合わせることで、再生修復の促進が見られた。これは当初の計画には記載されていなかった研究成果であり、本研究は計画以上に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り、これまでに得られた細胞増殖因子や細胞動員因子の徐放化システムと足場を組み合わせることにより、生体組織の再生修復が促進できる再生医療システムを創製していく予定である。研究計画の変更あるいは研究を遂行する上での問題点はない。
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