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2015 年度 実績報告書

ビフィズス菌による腸管上皮-T細胞間相互作用の制御に基づく腸炎抑制機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 13J05482
研究機関国立研究開発法人理化学研究所

研究代表者

宮内 栄治  国立研究開発法人理化学研究所, 統合生命医科学研究センター, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードビフィズス菌 / 大腸炎
研究実績の概要

昨年度までに、大腸炎抑制効果の高い菌株(BN株)は大腸上皮のβ-cateninシグナルを活性化することで上皮の修復を促進することを示した。一方、このようなβ-cateninシグナル活性化によるcyclin D1やc-mycの発現亢進は、大腸癌などのがん細胞増殖に寄与する。そこで、大腸癌モデル動物にBN株を投与した際、大腸癌に及ぼす影響を解析した。アゾキメタンをマウスに腹腔内投与後、デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)を自由摂取させ、大腸癌を誘発した。また試験期間中BN株を毎日経口投与した。その結果、体重減少や生存率などの指標についてはBN株投与により若干の抑制効果がみられたが、有意な差は確認されなかった。また、大腸癌の数、サイズについてもBN株投与による影響はほとんどみられなかった。
また、DSS誘導性大腸炎の発症初期におけるBN株の作用を検討した。DSS投与後の宿主の変動について、腸管透過性の亢進、上皮細胞のアポトーシス亢進、およびCD11b+細胞(好中球を含む)の大腸組織への浸潤を経時的に観察した。その結果、DSS投与3日後から腸管透過性の亢進が確認された。一方、このタイムポイントにおいて、上皮細胞のアポトーシスおよびCD11b+細胞の浸潤は確認されなかった。また、ZO-1およびOccludinの発現量をWestern blotで解析したが、DSS投与3日後の大腸において、これらのタンパク質の発現量に変化はみられなかった。一方、各タンパク質の局在を解析した結果、ZO-1およびOccludinの局在がDSS投与3日目に変化していることが明らかとなった。さらに、BN株の投与によりこれらの局在変化は抑制され、腸管透過性の亢進も抑制された。以上の結果から、BN株は大腸炎初期におけるタイトジャンクションタンパク質の局在変動を抑制し、上皮の恒常性を維持することが明らかとなった。

現在までの達成度 (段落)

27年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

27年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Plasmodium berghei ANKA causes intestinal malaria associated with dysbiosis2015

    • 著者名/発表者名
      Taniguchi T, Miyauchi E, Nakamura S, Hirai M, Suzue K, Imai T, Nomura T, Handa T, Okada H, Shimokawa C, Onishi R, Olia A, Hirata J, Tomita H, Ohno H, Horii T, Hisaeda H
    • 雑誌名

      Scientific Reports

      巻: 5 ページ: 15699

    • DOI

      10.1038/srep15699

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] フラクトオリゴ糖による腸内細菌叢修飾のBiogeographic解析2016

    • 著者名/発表者名
      宮内栄治、大野博司
    • 学会等名
      日本農芸化学会2016年度大会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター・札幌市・北海道
    • 年月日
      2016-03-28 – 2016-03-28
  • [学会発表] The role of the gut microbiota in the development of experimental autoimmune encephalomyelitis2015

    • 著者名/発表者名
      MIYAUCHI Eiji, KIM Seok-Won, OHNO Hiroshi
    • 学会等名
      第44回日本免疫学会学術集会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター・札幌市・北海道
    • 年月日
      2015-11-20 – 2015-11-20
  • [学会発表] High-affinity, poly-reactive IgA is required for gut homeostatic maintenance to prevent colitis in mice2015

    • 著者名/発表者名
      OKAI Shinsaku, USUI Fumihito, HASEGAWA Makoto, NAKAMURA Toshinobu, YAMAMOTO Kazuya, NISHIYAMA Eri, MORI Hiroshi, YAMADA Takuji, KUROKAWA Ken, KATO Tamotsu, MIYAUCHI Eiji, OHNO Hiroshi, SHINKURA Reiko
    • 学会等名
      第44回日本免疫学会学術集会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター・札幌市・北海道
    • 年月日
      2015-11-19 – 2015-11-19
  • [図書] 医学のあゆみ(粘膜免疫Update; 腸内細菌による多発性硬化症の制御)2015

    • 著者名/発表者名
      宮内栄治
    • 総ページ数
      6
    • 出版者
      医歯薬出版株式会社

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公開日: 2016-12-27  

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