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2015 年度 実績報告書

魚類の卵成熟ならびに卵黄吸収課程における糖、アミノ酸、及びイオン輸送機構

研究課題

研究課題/領域番号 13J05574
研究機関宮崎大学

研究代表者

古川 史也  宮崎大学, 農学部, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードyolk syncytial layer / アミノ酸 / グリコーゲン / グルコース
研究実績の概要

本年度の研究ではまず、受精1.5時間後~5日後のゼブラフィッシュ胚において、グリコーゲン含量の変化を調べた。その結果、受精後から孵化前後(~受精2日後)にかけて、グリコーゲンの減少が起こっていることが明らかとなった。次に、メス卵巣内の卵母細胞におけるグリコーゲンの蓄積過程を検討した。まず、成熟とともにグリコーゲンが蓄積されていることが明らかとなった。抗グリコーゲン抗体による免疫組織化学に供した結果、成熟とともにグリコーゲンが蓄積し、卵母細胞の表層に移行していく過程が明らかとなった。また、グリコーゲンの蓄積に関与する遺伝子(gys1、gys2)の発現は成熟ステージの早い時期の卵母細胞で見られた。
宮崎県で養殖されているヤマメ及びその海上飼育型であるサクラマスから生まれた卵を用い、発生過程において、卵黄内のアミノ酸、グルコース、グリコーゲンの利用について検討を行った。孵化率ではヤマメの91% (213/234)に対して、サクラマスでは96.6% (226/234)と高い値を示した。受精120日後、卵黄嚢が縮小し、卵黄内のほとんどのアミノ酸が枯渇していたヤマメに比較し、サクラマスの卵黄では多くのアミノ酸が残存していた。卵黄内では発生と共にグルコースが増加し、受精後40日をピークに減少していった。遺伝子発現解析の結果から、ゼブラフィッシュと同様にyolk syncytial layerで糖新生が起こっている可能性が考えられる。グリコーゲン測定の結果、受精後40日に胚体でグリコーゲンが急激に蓄積され、ヤマメでは孵化後に元のレベルに戻ることが観察された。一方、サクラマスでは受精後100日目までは高いレベルに維持されていた。アミノ酸やグリコーゲンの残存量、および孵化率の高さから、発生初期においてはサクラマスより生まれた仔稚魚の方がヤマメのそれよりも優れた生命力を有することが示唆された。

現在までの達成度 (段落)

27年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

27年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] In vivo and in vitro effects of high-K+ stress on branchial expression of ROMKa in seawater-acclimated Mozambique tilapia2015

    • 著者名/発表者名
      Furukawa F, Watanabe S, Seale AP, Breves JP, Lerner DT, Grau EG, Kaneko T
    • 雑誌名

      Comparative Biochemistry and Physiology, Part A

      巻: 187 ページ: 111-118

    • DOI

      doi.org/10.1016/j.cbpa.2015.05.017

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Induction of phosphoenolpyruvate carboxykinase (PEPCK) during acute acidosis and its role in acid secretion by V-ATPase-expressing ionocytes2015

    • 著者名/発表者名
      Furukawa F, Tseng YC, Liu ST, Chou YL, Lin CC, Sung PH, Uchida K, Lin LY, Hwang PP
    • 雑誌名

      International Journal of Biological Sciences

      巻: 11 ページ: 712-725

    • DOI

      doi: 10.7150/ijbs.11827

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著 / 謝辞記載あり
  • [学会発表] ゼブラフィッシュ幼生におけるPEPCK経由糖新生は酸排出を促進する2015

    • 著者名/発表者名
      古川史也, Tseng YC, Liu ST, Chou YL, Sung PH, 内田勝久, Lin LY, Hwang PP
    • 学会等名
      日本動物学会 第86回新潟大会
    • 発表場所
      朱鷺メッセ、新潟
    • 年月日
      2015-09-19 – 2015-09-19
  • [学会発表] Phosphoenolpyruvate carboxykinase (PEPCK)-mediated gluconeogenesis accelerates acid secretion by H+-ATPase-expressing ionocytes during acidosis2015

    • 著者名/発表者名
      Furukawa F, Tseng YC, Liu ST, Chou YL, Lin CC, Sung PH, Uchida K, Lin LY, Hwang PP
    • 学会等名
      The 9th International Congress of Comparative Physiology and Biochemistry From Molecule to Macrophysiology
    • 発表場所
      Jagiellonian University, Krakow, Poland
    • 年月日
      2015-08-25 – 2015-08-27
    • 国際学会
  • [学会発表] 魚類における卵黄の利用に関する生理学的研究2015

    • 著者名/発表者名
      古川史也
    • 学会等名
      ユニークな少数派実験動物を扱う若手が酸先端アプローチを勉強する会
    • 発表場所
      岡崎コンファレンスセンター、愛知
    • 年月日
      2015-08-19 – 2015-08-19

URL: 

公開日: 2016-12-27  

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