研究課題/領域番号 |
13J05667
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
閔 正媛 東京工業大学, 大学院理工学研究科(理学系), 特別研究員(DC1)
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キーワード | ウィッテンゼータ関数 / ゼータ関数 / 特殊値 |
研究概要 |
本研究は、様々なコンパクト位相群のウィッテンゼータ関数やウィッテンL-関数の負の整数の零点とそれらの性質を調べることを目的としている。特に有限群とリー群等を中心的に見ていきたいと思っている。平成25年度には、まずコンパクト位相群の最も基本的な形である有限群について、ウィッテンL-関数の負の整数の零点の性質を調べた。有限群のウィッテンL-関数の場合は、単位元のウィッテンL-関数を除き-2を零点として持つため、今年度の研究ではその位数を調べた。特に、有限群の最も基本となる対称群と交代群に研究の焦点を絞った。 その結果、対象群の奇置換のウィッテンL-関数は常に0となることと偶置換のウィッテンL-関数は多くの場合-2で位数1の零点をもつこと、また交代群のウィッテンL-関数も多くの場合-2で位数1の零点をもつことがわかった。またこのことから、次の2つの予想を立てることができた。 1. 対称群のウィッテンL-関数の-2での位数が1であることとそのウィッテンL-関数が偶置換のウィッテンL-関数となっていることは同値である。 2. 単純群のウィッテンL-関数の-2での位数は常に1となっている。もし今回立てた予想が解決できるのであれば、ウィッテンゼータ関数やウィッテンL-関数が群に関する何らかの情報を含んでいると言えるようになるだろう。そういう意味で、この研究を通してウィッテンゼータ関数やウィッテンL-関数を通して群の性質が調べられる可能性を開いたとも言えるだろう。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度はコンパクト位相群の最も基本的な形である有限群について調べ、その結果を論文でまとめている。基本的な事柄を調べることができ、また論文を作成中でいるということは当初の計画から大きく外れてはいないと思う。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究では主にリー群のウィッテンゼータ関数やウィッテンL-関数の零点を調べていこうと思っている。修士論文には最も簡単な形であるSU(2)やSU(3)のウィッテンゼータ関数とウィッテンL-関数について記述しているが、これからはその研究をさらに一般化し、一般のSU(n)のウィッテンゼータ関数やウィッテンL-関数について研究していく予定である。
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