研究課題/領域番号 |
13J05667
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
閔 正媛 東京工業大学, 理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | ゼータ関数 / 特殊値 / 平均 |
研究実績の概要 |
平成26年度は年度は2本の論文を書いたが、2本とも現在投稿中である。平成26年度の前半は、SU(2)の共役類とWitten L-関数の特殊値との関係を調べ、「Vanishing of Witten L-functions and products of conjugacy classes」というタイトルの論文にしてまとめた。これは「Wittenゼータ関数の研究を通して群の様子を調べる」という当初の研究目的に合致した研究である。 また、平成26年度の後半は、2014年1月にJournal of Number Theoryに掲載された論文(Zeros and special values of Witten zeta functions and Witten L-functions)で言及したWitten L-関数の(群に関する)平均値についてもっと詳しく調べた。そしてその結果を「Mean Values of the Witten L-function for SU(2)」というタイトルの論文にしてまとめた。この研究を通して、群の様子とWittenゼータ関数及びWitten L-関数の特殊値、そして平均との関係がわかったので、これもまた研究目的に合致しているものである。 全体を通して、研究は当初の計画通り進んでいる。当初コンパクト位相群とWittenゼータ関数に関する事柄を研究し、それを論文にまとめるという計画を立てたが、その計画通り論文作成や研究集会での発表を順調に行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究は計画通り順調に進んでいる。平成26年度は、コンパクト位相群やWittenゼータ関数に関する事柄(特殊値、零点、平均値など)を研究し、それを論文にまとめ、また研究集会で発表する計画を立てていた。計画通り研究を進めていくことができ、平成26年度はWittenゼータ関数に関する次のような論文を書くことができた。 7月にはSU(2)のWittenゼータ関数の特殊値と共役類との関係を研究し、その結果を「Vanishing of Witten L-functions and products of conjugacy classes」というタイトルの論文にまとめた。この研究により、指標が多数ある場合の特殊値について、一部ではあるがわかるようになった。 また、同年度の3月には、SU(2)のWitten L-関数の平均値(群に関する平均)について研究し、成果を「Mean values of the Witten L-function for SU(2)」というタイトルの論文にしてまとめた。この研究を通して、Witten L-関数の零点と群に関する平均値の間には何らかの関係があるのではないかという考察ができた。 特に7月に行われた研究については、平成26年度の10月に沖縄で行われた「Zeta in OKINAWA 2014」と、京都で行われた「解析的整数論 ― 数論的対象の分布と近似」にて研究発表を行った。 上記の論文は現在投稿中である。
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今後の研究の推進方策 |
今後も、今までの研究の続きとして、コンパクト位相群のWittenゼータ関数の零点、特殊値、平均等を研究する予定である。主にリー群や有限群のWittenゼータ関数を研究対象としていこうと思っている。それは、上記の群がコンパクト位相群の中でも最も基本的なものであるので、それらを研究することによって一般のコンパクト位相群のWittenゼータ関数の挙動について予想することができるからである。そしてそれを論文にまとめ、研究集会で発表するつもりである。Wittenゼータ関数の研究を通してコンパクト位相群の様子を調べるという方針には変わりはない。 特に環境など(研究室、共同研究者、滞在国など)は変わっておらず、特に必要な機材などもないので、変更点や問題点などは特にない。今後も今まで通り研究室やジャーナル等で情報収集や意見交換をし、また国内外の研究集会にて情報収集及び研究発表等を行いながら研究を行うことはできるだろうと思う。
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