研究課題/領域番号 |
13J05683
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
汪 海林 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
キーワード | 燃料電池 / 触媒 / グラフェンン / ナノ粒子 |
研究概要 |
本研究では、低温燃料電池用多機能型全無機電極材料の開発を目的としている。その目的を実現するために、以下の三つのステップを計画しました。 1. 新規三次元カーボン材料の開発および担持する触媒の作製と評価 2. 無機プロトン伝導体を有する全無機電極材料の開発と評価 3. 膜-電極複合体(MEA)の作製と電池性能評価 平成25年度には、新規三次元カーボン材料の開発と担持する触媒の作製と評価について行いました。本研究で始めて部分的に開いたカーボンナノチューブをカーボンスペーサーとしてを使い、グラフェンの層間に挿入により、三次元カーボン材料を作製した。X線解析と断面HR-TEM写真により三次元構造を確認し、三次元カーボンの比表面積をグラフェンより三倍に上がることも確認しました。 また、三次元カーボンを用い、溶液で還元法により担持したPtPdとPtCoを作製しました。X線解析によりナノ粒子の合成を確認し、TEM写真の観察によりナノ粒子がカーボンに均一に分布することも確認しました。そして、サイクリックボルタンメトリーと回転ディスク電極を用い、触媒活性表面積やメタノール酸化活性や酸素還元反応活性などを評価しました。その結果、高い比表面積と独特な三次元構造により、三次元カーボン担持した触媒がグラフェンン単体で担持した触媒及び市販の触媒より高い活性を示しました。更に、非貴金属を持ちいPtCo触媒が高い酸素還元活性と耐久性を用い、将来の全無機電極材料の触媒として期待されています。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
X線解析とTEM観察により、三次元カーボン及び担持した触媒の合成を確認しました。また、電気化学評価により合成した触媒の市販の触媒より高い活性も確認しました。それにより、研究目的の一つである高性能を持つ触媒の合成について成功しました。今後の全無機材料の合成に向ける最初のステップを完成し、計画についておおむね順調に進展しています。
|
今後の研究の推進方策 |
今後の研究計画は三次元カーボン担持した触媒を用い、全無機電極材料の開発です。方針としては、申請書で提案した二段階方法を使い、ジルコニウム系の無機イオン伝導体を触媒にコーティングする予定です。そして、X線解析、TEM、SEM、EDX、XPSなどの解析手法を利用し、全無機電極材料の合成を確認します。また、電気化学評価により新規材料の電極反応における活性を評価する予定です。
|