研究課題/領域番号 |
13J05985
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研究機関 | 総合研究大学院大学 |
研究代表者 |
鈴木 亜友美 総合研究大学院大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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キーワード | 体性感覚システム / 遺伝子欠損マウス / Cre-loxP組み換え / トランスジェニックマウス / アデニル酸シクラーゼI |
研究概要 |
本研究員は、生後発達初期の未熟な神経回路が、外部からの入力に応じて精緻化され機能的な神経回路となる過程において、皮質下領域における分子機構がどのような働きを担うかを明らかにすることを目的とし、研究を行ってきた。本年度は、目的としていた体性感覚システムにおける複数領域特異的な遺伝子欠損マウスの作成および解析を行い、皮質下領域におけるI型アデニル酸シクラーゼの働きが、神経回路精緻化の過程で重要な役割を担うことを明らかにした。さらに、新規の脳幹特異的Creトランスジェニックマウスを作製し、これまで問題となっていた脳幹における遺伝子欠損の不完全性を解決した。また、標的遺伝子を皮質下で欠損させることにより、様々な行動異常が引き起こされることが明らかとなった。複数の脳領域を包含した神経システムにおいて、特定の領域でのみ標的遺伝子を欠損させ、網羅的な解析を行う例は非常に稀である。今回の解析によりマウスの体性感覚システムにおいて、皮質下領域の遺伝子は、神経回路精緻化に寄与することが明らかとなった。 本年度の研究により、これまで解明されていなかった皮質下領域における遺伝子発現が、大脳皮質における神経回路精緻化に非常に重要であることが示された。さらに、皮質下領域に発現する遺伝子が大脳皮質の神経経路精緻化に及ぼす影響およびその意義の一端について、神経回路の形態から行動レベルにいたるまでを明らかにすることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「脳幹における遺伝子欠損の不完全性」というこれまでの研究における問題解決のため、予定にはない新規トランスジェニックマウスの作成を行ったため、予定していた子宮内電気穿孔法による単一視床・皮質投射軸索の可視化実験の進行に遅れが生じている。しかし、これまでの研究における問題点を解決し、研究全体を通し完成度は上がっているため、おおむね順調に進展していると言えるだろう。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、研究計画に記載した ①標的遺伝子の機能推定 に重点をおいて研究を進める予定である。単一視床・皮質等車軸索の可視化および形態解析から、視床細胞の遺伝子操作実験を行うと同時に、データベース等により下流のシグナル伝達経路の特定を進める予定である。
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