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2013 年度 実績報告書

合成生物学的アプローチによる哺乳類概日時計の温度補償性の理解

研究課題

研究課題/領域番号 13J05989
研究機関大阪大学

研究代表者

篠原 雄太  大阪大学, 生命機能研究科, 特別研究員(DC2)

キーワード概日時計 / 温度補償性 / リン酸化反応 / 蛋白質相互作用 / CKlε/δ
研究概要

本研究では未だ解明されていない哺乳類概日時計の温度非依存的なリン酸化反応の分子機構を明らかにすることを目的としている。
1. リン酸化反応機構のモデルを単純化するために、温度補償性を示すために必要な最少ユニットを求めた。基質ペプチド群を網羅的に化学合成しペプチドスクリーニングを行い最も単純なペプチド基質を同定した。その結果、2つもしくは1つのセリンを含むペプチド基質のリン酸化でも温度補償性が成り立つことがわかった。
2. リン酸化反応を定量的に解析するために、モビリティーシフトアッセイ系を構築した。このアッセイ系を使い基質ペプチド、1リン酸化ペプチド、2リン酸化ペプチドを定量的にハイスループットで解析することに成功した。
3. リン酸化反応をNMR解析により反応追跡するために、ペプチドに含まれるセリンを^<13>C, ^<15>N同位体標識したペプチドを合成した。NMR解析では時間分解能が悪いため、リン酸化反応を経時的に追跡することが困難であった。そのため同位体標識したCKIε/δとペプチドを用いて、タンパク質の構造解析を進めている。
4. CKIδの逆反応である脱リン酸化活性を阻害する薬剤を探索するためにケミカルライブラリを用いてスクリーニングを行った。その結果、逆反応を阻害する薬剤が見つかり、その薬剤はリン酸化活性を向上させる化合物であることがわかった。従って、概日時計の周期を制御する化合物の探索に成功しており、次年度以降にこの化合物を細胞系及びSCNなどの組織系で評価していく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

温度補償性を示すペプチド基質を同定しただけに留まらず、そのペプチドと酵素との相互作用解析を行っている。その結果、リン酸化反応の性質を決定する律速段階を同定することにも成功し、反応の分子機構が明らかになりつつある。

今後の研究の推進方策

タンパク質問相互作用に関しては、本年度に構築したモビリティーシフトアッセイ系を用いて、引き続き酵素反応の解析を生化学的に行う。さらにタンパク質間相互作用を構造的に理解するために、同位体標識されたタンパク質を作製しNMR解析で帰属していく。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Non-Enzymatic DNA Cleavage Reaction Induced by 5-Ethynyluracil in Methylamine Aqueous Solution and Application to DNA Concatenation2014

    • 著者名/発表者名
      Shuji Ikeda, Kazuki Tainaka, Katsuhiko Matsumoto, Yuta Shinohara, Koji L. Ode, Etsuo A. Susaki, Hiroki R. Ueda
    • 雑誌名

      PLOS ONE

      巻: 9 ページ: e92369

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0092369

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2015-07-15  

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