研究課題/領域番号 |
13J06089
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
永山 聡子 一橋大学, 大学院社会学研究科, 特別研究員(DC1)
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キーワード | 母乳育児 / 周産期医療 / GHQ / 産婦人科医 / 小児科医 / 助産師 / 厚生労働省 |
研究概要 |
①日本国内で入手できる限りの母乳育児・母子保健、周産期医療・制度等の先行研究リストを作成し、その中から重要な文献をまとめて研究ノートを作成した。具体的には、a)日本の周産期医療界(主に産婦人科、小児科)の歴史的変遷(ローカルな価値観)を捉えるため、敗戦後の日本において、公衆衛生政策(法制度、医学教育も含意)の中で、特に「授乳、母乳育児」が、どのような存在で議論されてきたのか、日本産婦人科学会・医会、日本小児科学会・医会、各大学の医学部における産婦人科学教室、小児科学教室の資料などを整理した。そこから、周産期医療界を支える人々(産婦人科医、小児科医)がどのようなメカニズムで(周産期医療界)の秩序に授乳行為(人工乳、母乳育児)を包摂したのか、グローバルな資本との関わりも含め分析を行った。 ②国会図書館所蔵のPublic Health and Welfareの史資料の翻訳作業の継続作業を行った。b)Public Health and Welfare世界保健機構、国際児童基金の周産期医療観(グローバルな社会変動) : PHWは、敗戦後の日本の医療制度の基礎を構築した機関である。1次資料から周産期医療に関するものを明らかにし、また先行研究が明らかにした、Weekly Bulletinが構成した分野である、Welfare(福祉・社会保障)、Medical Service (医事)、Nursing Affairs(看護)、Veterinary Affairs(獣医学・畜産)、Supply(資材・薬事)、Preventive Medicine(感染症対策)を再検討した。また、世界保健機構、国際児童基金の資料も随時整理を行った。 ③①②を経て、平成26年度に実施する医療実践の現場における周産期医療観を捉えるためのアンケート調査の事前準備を行った。その結果から質問紙を再構成し、平成26年度調査用とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
先行研究及び隣接文献検討、史資料収集、当初の計画通りである。引き続き遂行していく。その中でも、インタビュー調査の数が計画より少ないため、平成26年度は計画よりも増量させる予定である。
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今後の研究の推進方策 |
先行研究及び隣接文献検討の成果、史資料の実証データ等を練りこみながら、新しい知見を創造するのか、その青写真が完成段階まで描き切れていない。平成26年度は青写真を描きながら、独創的で堅実な作業を心がける。これを基礎に、投稿論文を書き進めることで、整理し論を掘り固めていく。 具体的には、日本国内の母乳育児を推進する施設(Baby-friendly Hospitalプログラム)へ質問紙調査を開始する。平成25年に予備調査・本調査前に質問項目を作成する計画を遂行した。これを再編成し、全国に62施設あるBFH認定病院に送付し回答を図る。さらにBFH認定病院に勤務し、母乳育児を主導する医療従事者と、それを支える医療従事者にそれぞれ、聞き取り調査を行い現代的な状況を捉え、歴史の再構成を行う。
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