研究課題/領域番号 |
13J06227
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
早川 和賀子 九州大学, 総合研究博物館, 特別研究員(DC2)
|
キーワード | 瓦 / 製作技術 / 寺院 / 官衙 / 国分寺 / 西海道 |
研究概要 |
本申請の研究目的は、古代の地方における寺院・官衙の造営に際する、技術者編成や労働力投下のあり方を捉え、それを可能にした体制を復元し、地方への律令制の浸透の様相をみていくことである。具体的には、技術の動態を捉えやすい瓦資料を用い、古代日本の境界地域の一つである西海道を対象とする。 平成25年度は、筑前国の大宰府史跡、豊前国の豊前国分寺や弥勒寺、豊後国の豊後国分寺、肥後国の興善寺廃寺を中心とする諸遺跡を対象に資料調査を行った。以上の調査により、西海道各地の瓦とそれらに影響を与えた大宰府史跡出土瓦との比較が可能となり、詳細な資料間比較を行うことで、大宰府から地方への影響の有無のみならず、その程度の内容に関する議論まで可能となる。今後も資料調査を継続的に行い資料数を増加させることで、その影響の内容について明確に捉え、古代日本列島の境界城である西海道で行われた統治のあり方とその中での大宰府の性格の一端について明らかにできる。 また、西海道の寺院の空間設計や立地を考えるために、西海道のみならず他地域の国分寺跡や寺院跡を訪れ、その空間設計や立地について実際に観察した。次年度も継続的に検討を行い、西海道と他地域の共通点と相違点を明確にすることで、西海道における寺院造営の評価が可能となる。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度にデータ収集を順調に進めることができ、一部その成果を口頭で発表済みであり、投稿論文の準備も進めているため。
|
今後の研究の推進方策 |
今年度に引き続きデータ収集を行い、並行して論文として纏める作業を行う。
|