研究実績の概要 |
個人のみでの研究論文は1本発表した。この論文では、1次元格子上の3状態量子ウォークを研究対象として、それに対する長時間極限測度の計算、そして空間を時間でスケールしたときの長時間分布収束定理を導出した。さらに、このモデルを量子アルゴリズムに応用することも見据えて、量子ウォークの初期状態を適当な非局在化状態にとることで、長時間極限測度で一様測度が構成できることも証明した。共同研究論文は2本発表した。F. Alberto Grunbaum氏(University of California, Berkeley) との共同研究では、時間発展が3周期で変化するような、1次元格子上の時間依存型量子ウォークの極限分布を計算した。研究成果は論文にまとめられ、国際雑誌から出版された。瀬川悦生氏(東北大学)とは、1次元格子に、あるグラフを埋め込んで作られるグラフ上の量子ウォークを解析し、長時間後の確率分布の局在化と長時間分布収束極限定理のコンパクトサポートに関する情報を明らかにした。この論文も国際雑誌に受理された。2015年1月13日にHenry B. Gonzalez Convention Center(San Antonio, TX, America)にて開催された、Joint Mathematics Meetings 2015のAMS Special Sessionsの1つである、Quantum Markov Chains, Quantum Walks, and Related Topics Quantum Walk Sessionにオーガナイザーのひとりとして参加して、さらに量子ウォークに関する研究成果も招待講演者として発表した。
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