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2014 年度 実績報告書

エピジェネティクス制御による転移性癌の新規治療法開発

研究課題

研究課題/領域番号 13J06428
研究機関九州大学

研究代表者

土橋 賢司  九州大学, 医学系学府, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2015-03-31
キーワードエピジェネティクス / 可塑性 / CD44 / ESRP1
研究実績の概要

1年次結果を受け、CD44バリアント(CD44v)陽性と陰性の2つの細胞集団より構成されるヒト食道癌細胞株で評価を行うこととした。ESRP1がエピジェネティックに制御されるかを調べるため、CD44v陽性、陰性集団間の可塑性について検討した。CD44v陽・陰性細胞をソーティングでsingle cellで播種した。single cell由来の細胞集団のCD44ステータスをFACSで解析した結果、解析した全CD44v陽・陰性細胞の両者より、陽・陰性の両集団の出現を認めた。更にESRP1をshRNAでノックダウンした細胞からは、陽性細胞の出現を認めなかった。よってCD44v発現には可塑性があり、それはESRP1により制御されることが明らかになった。この細胞株に対し、1年次研究でマウス乳癌細胞のCD44v発現を上昇させることを明らかにしたトリコスタチン(TSA)の作用を検討した。TSAはヒストン脱アセチル化酵素阻害剤であり、エピジェネティクスを介した作用を有する。CD44v陰性集団にTSAを添加するとCD44vの発現上昇を認めた。次にこのCD44vの発現の上昇がESRP1を介するかを明らかにするため、CD44v陰性集団にESRP1のshRNAとcontrol shRNAを安定発現している細胞にTSAを添加し、各々のCD44vの発現を解析した。その結果、FACS解析にて、control細胞だけでなく、ESRP1 shRNA導入細胞においてもCD44vの発現上昇を認めた。一方、RT-PCRではESRP1発現上昇は認めなかった。以上より、今回のTSAのCD44v発現上昇の機序は、ESRP1を介したmRNAレベルの制御でなく、CD44vの蛋白レベルの変化であることが示唆された。本研究で、ヒト癌細胞でCD44vをマーカーとする悪性形質獲得がエピジェネティックに制御されうることが明らかになった。

現在までの達成度 (段落)

26年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

26年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Ink4a/Arf-dependent Loss of Parietal Cells Induced by Oxidative Stress Promotes CD44-dependent Gastric Tumorigenesis.2015

    • 著者名/発表者名
      Seishima R, Wada T, Tsuchihashi K, Okazaki S, Yoshikawa M, Oshima H, Oshima M, Sato T, Hasegawa H, Kitagawa Y, Goldenring JR, Saya H, Nagano O.
    • 雑誌名

      Cancer Prevention Research

      巻: in press ページ: in press

    • DOI

      25813526

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Impacts of CD44 knockdown in cancer cells on tumor and host metabolic systems revealed by quantitative imaging mass spectrometry.2015

    • 著者名/発表者名
      Ohmura M, Hishiki T, Yamamoto T, Nakanishi T, Kubo A, Tsuchihashi K, Tamada M, Toue S, Kabe Y, Saya H, Suematsu M.
    • 雑誌名

      Nitric Oxide

      巻: 42 ページ: 102-13

    • DOI

      25461272

    • 査読あり
  • [学会発表] ESRP1を介したCD44mRNAスプライシングは癌転移を制御する2014

    • 著者名/発表者名
      土橋賢司・永野修・八戸敏史・馬場英司・赤司浩一・佐谷秀行
    • 学会等名
      第12回日本臨床腫瘍学会学術集会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      2014-07-18 – 2014-07-18
  • [学会発表] ESRP1 regulated alternative splicing of CD44mRNA enhances lung colonization of metastatic cancer cell2014

    • 著者名/発表者名
      K.Tsuchihashi, O.Nagano, T.Yae, T.Ishimoto, T.Motohara2, M.Yoshikawa, GJ.Yoshida, T.Wada, T.Masuko, K.Mogushi, H.Tanaka, T.Osawa, Y.Kanki, T.Minami, H.Aburatani, M.Ohmura, A.Kubo, M.Suematsu, K.Takahashi, E.Baba, K.Akashi, H.Saya.
    • 学会等名
      American Association for Cancer Research 2014 Annual Meeting
    • 発表場所
      サンディエゴ
    • 年月日
      2014-04-09 – 2014-04-09
  • [図書] スルファサラジンの基礎から臨床への橋渡し2015

    • 著者名/発表者名
      土橋賢司・永野修・佐谷秀行
    • 総ページ数
      4
    • 出版者
      科学評論社

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公開日: 2016-06-01  

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