研究課題/領域番号 |
13J06455
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
吉田 美佳 東京大学, 大学院農学生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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キーワード | 木質バイオマス / サプライチェーン / チッピング / 小規模林業 / チッパー / ロジスティクス |
研究概要 |
間伐によって発生する木質バイオマスのサプライチェーンを構築するために、サプライチェーンにおける意思決定の最も複雑なplanning and schedulingの部分である間伐作業システム、山元からユーザまでのロジスティクスの理論を解明することを目的としているが、初年度は山元での木質バイオマスチップの生産について、既往の研究成果の少ない移動式小形チッパーを詳細に分析し、日本の小規模林業への展開という新たな視点で考察を深めた。また、木質バイオマスのサプライチェーンが実際に構築されているヨーロッパにおいて聞き取り調査、作業視察を行ったが、中でも小規模森林所有者をとりまとめてビジネスの成り立つ規模を作り上げているマネジメントは、日本のような小規模森林所有者の多い森林所有形態にとって大いに参考になるものであり、上述の研究成果がビジネスモデルとして拡張できる可能性のあることが判明した。 一方で、木質バイオマスのサプライチェーンにとって欠かすことのできない輸送システムについて、実際の林業事業体から基礎データとなるトラックのデータを収集した。また、新しく開発された、林内での木質バイオマスチップ輸送システムとなる林内運搬車を用いたコンテナ輸送について、現場での稼働が可能である事を確認し、詳細なデータを収集した。これら輸送機械のデータによって、チップ生産とチップ輸送を含めて木質バイオマスのサプライチェーン全体を論じることができるようになり、有用な調査を行うことができた。 また、木質バイオマスのサプライチェーン関係の国際学会に出席し、他国の研究者と意見交換を行ったことで、日本にない視点からの論文を2本国際誌に掲載する事ができ、日本における木質バイオマスサプライチェーン研究に貢献する事ができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画にそって進行しているため、おおむね順調と言える。
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今後の研究の推進方策 |
初年度得られたデータを利用し、地理情報システム(GIS)を用いたロジスティクス分析を行い、日本における木質バイオマスのサプライチェーンビジネスモデルを具体的に分析、提案する。
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